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吉田潮「だからテレビはやめられない」(2月27日)

フジ特番の池上彰、意地悪ツッコミでも取材相手&お茶の間がメロメロの神業

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『池上彰の学べるニュース6』
(海竜社/池上彰)
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、視るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。

 この立ち位置は、そう簡単には獲得できないだろう。

 いまや誰もが認める名解説者となった、池上彰である。40歳の私は、「池上さん=ダジャレのおじさん」というイメージが強い。彼がまだNHKアナウンサーだった頃、『ニュースセンター845』に出ていた。最後に必ずダジャレを言い、顔をちょこっとひきつらせてドヤ顔をしていた。それが私の中の池上さんである。

 今では民放テレビ局からも出版社からも引っ張りだこ。一時期はレギュラー番組でバンバン解説しまくっていたのだが、「取材する時間がない」ということで、仕事を特番に限定したようだ。解説者である前にジャーナリストである、という矜持。さすがである。

 そんな池上さんがなぜ人気なのか。ひとつは言わずもがな、「解説のわかりやすさ」だ。政治や経済にまったく興味のないオバサンたちの興味関心を惹きつける。オバサンたちの政治参加は「だって池上さんがテレビで言ってたわよ」が基準になったりするのだから。

 そして、もうひとつ。解説者にありがちな「上から目線がない」ところだろう。政治や経済、世界情勢に興味と文句と持論のあるオジサンたちも、腰が低くてまっとうな池上さんならば、ぐうの音も出ない。池上さんの哀愁の漂う後ろ姿にも共感しているのだろう。こうして、老いも若きも男も女も、みな池上さんの虜である。

 昨年12月の衆議院総選挙前までは、池上さんは「THE・中庸」であり、無知な芸能人の素っ頓狂な質問に「いい質問ですね」と褒めて育てる役回りだった(テレビの中では)。でも池上さんの本領は、揶揄と敬意の二刀流。膨大な知識と豊富な経験をベースに、ダジャレを生み出すシニカルなユーモアセンスをまぶす。ここ最近は、池上さんが多少本領発揮できる番組も増えた気がする。

●ぬるい解説より、バッサバサ斬りこむ姿を観たい

『土曜プレミアム 池上彰緊急スペシャル』(フジテレビ系/2月23日放送)では、「首相の器」「日本の右傾化」などをテーマに解説をしていた。スタジオでは解説がメインなので、池上さんの毒気ポイントは少なかった。が、小泉元首相とブッシュ元大統領の共通点について、「長い演説ができないところ」とチクリ。そうそう、これが池上さんの本来の姿なのだ。

 ぬる~い解説に時間を割くよりも、池上さんがバッサバサ斬りこむ姿が観たい! と思っていたら、池上さん自身が自民党本部へ取材したVTRが。偶然かヤラセかはわからないが、入り口で野田聖子総務会長にバッタリ遭遇。「(自民党本部が)昔は閑古鳥鳴いてたでしょ?」「(同じ党三役の高市早苗政調会長との仲について)女同士の対立は?」など、矢継ぎ早に池上さんがジャブを繰り出していた。

 なんだろう、この胸のすく感覚は。

 さらには、石破茂自民党幹事長インタビューではツッこみまくり。新人議員の名前を覚えていない石破幹事長をいじる池上さん(ちょっぴり意地悪)。石破幹事長の独特のしゃべり方に対して、敬意を払いながらも「上から目線でシモジモに教えてやるよ、ととらえられることはないですかね?」と池上さん(それ言っちゃうんだ)。「わかりやすくお伝えするために研鑽努力してゆっくり話している」との回答に、すかさず「研鑽努力の結果がコレなんですねぇ」と返した池上さん(皮肉だが後味は悪くない)。

 いつもなら白目剝き出しの石破幹事長が、まんまるい頬をさらに赤くして白旗を揚げていた(それはそれでかわいかった)。

 この絶妙なインタビューは、テレビ界において池上さんにしかできないだろう。石破幹事長のお茶目な部分もテレビに映し出し、彼の好感度を上げておきながら、素朴な疑問を正直にぶつけて、茶の間の溜飲も下げる展開。まさに二刀流。

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テレビに出るときは髪型を整えよう

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