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松本大(マネックス証券代表取締役社長CEO)

話題の「ひどい初デート」を補償する保険、なぜ詭弁の匂いがするのか?

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松本大氏
 証券口座数、預かり資産は業界トップレベルを誇り、「オンライン証券・サイトの使いやすさランキング第1位」(ゴメス・コンサルティング調べ)であるネット証券のパイオニア・マネックス証券創業者であり、現在CEOを務める松本大氏。そんな松本氏が、国内外のメディア報道をピックアップしながら、それらから透けてみえる「ビジネスに役立つ(かもしれない)あれこれ」について考察します。

●オバマ米大統領、給与の5%返上へ-歳出削減で結束アピール - Bloomberg.co.jp(4月4日)

 オバマ大統領の給料は年間約40万ドル(今ならザックリ4000万円ぐらい)なのだそうで、歳出削減に伴って無給休暇を強いられる政府職員との連帯を示すために、毎月の給料の5%分の小切手を財務省に返納するとのこと。なんだかアメリカってますます日本の後追いをしてるなぁと感じてしまった記事。金融危機の後、銀行セクターを公金で助けたが、その銀行からの貸し出しが伸びてなくて困っているアメリカ。まるでかつての日本のようです。

 そんなアメリカからのニュースは、この臥薪嘗胆的な、私から言わせると情けないものです。世界一の大国のトップが、月15万円返上して、それで何かの役に立つのか? 

 そう言えば昔同じような話を聞いたことがあったなぁ……。アメリカの本格復活にはまだ時間が掛かるかなぁと思ってしまった、ちょっと淋しい記事。でもやっぱり日本って、超先進国なんですね。

●シリコンバレーで起業家年齢が上昇 - THE WALL STREET JOURNAL(4月4日)

 題名通りの記事。さまざまな理由があるようで、必ずしも単純に社会が高齢化しているということではないようですが、これもやはりアメリカが日本化している、もしくは日本の超先進国性を再認識させられてしまう記事。

 しかし、もう少し踏み込んで考えてみると、地球上の人間という種自体が、徐々に年老いてきているのかなぁと思えてきてしまいます。人間社会は明らかに変遷しています。自分もその中に身を委ねていくしかない。でもそんなふうに考えるところが自らの老化だろうかとも思えてしまう、フラクタル現象を引き起こす記事。

●なぜ日本人はファックスを手放せないのか - クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)(4月7日)

 日本人はファックスからなかなか離れられないらしい。記事は必ずしもその理由をうまく解明しているわけではないのですが、私が思うに26文字のアルファベットと数千字もしくは万を超える漢字の違いが大きいでしょうか。アルファベットは記号であり、デジタルのようなものですが、漢字は表意文字であり、象形文字であり、アナログな要素が強いと思います。やはり私が気になる記事は、世界の中の日本に関する記事なってしまいますね。

●「ひどい初デート」を補償する保険 - web R25(4月10日)

 イギリスでは「初デート保険」ともいうべき保険商品ができたとの記事。「楽しみにしていた彼との初デートがあまりにもひどかった場合、それにかかった費用は全部うちが持ちます」というユニークなもの。保険会社の幹部曰く、「世の女性たちが自分にベストマッチした相手を探す際に発生するコスト(リスク)を下げたかったのです。まるで事故のような初デートに、無駄なお金を使ってしまった人はかなり多く、今後は隠れた需要も掘り起こしていくつもりです」。

 むぅ。詭弁な匂いが。初デートだけ特別なのか? 保険料という形で先行して消費を促進しているだけではないか? しかしこのような保険商品ができるのであれば、人生の各ステージのイベントをすべて保険化できますね。人生のデリバティブ化。なにやらリーマンショックの頃の話のようになってきました。くれぐれも多用には御用心。やはりリスクは認識しながら生きていくのが正しいような気がします。
(文=松本大/マネックス証券代表取締役社長CEO)

●松本大(まつもと・おおき)
:マネックス証券代表取締役社長CEO
 1987年東京大学法学部卒業。ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に入社。同社のゼネラルパートナー、東京支社の為替・債券部門の共同責任者となる。1999年4月に株式会社マネックス(旧マネックス証券株式会社)を設立、2004年8月には日興ビーンズ証券株式会社との経営統合により、マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社が発足、代表取締役社長CEOとなる。現在、マネックスグループ代表取締役会長兼社長CEOおよびマネックス証券代表取締役社長CEO。株式会社東京証券取引所グループ社外取締役なども務める。