マクドナルド店舗内に置かれた
ポップ。(撮影=萩原雄太)
まず、店員が候補となりそうなお客に声をかけ会話し、脈がありそうな場合は「マクドナルドのお仕事紹介」というパンフレットを渡すほか、レジで商品を渡す際に、裏に時給などが書かれた「募集カード」をトレイに置くというようなケースもあるという。
この“斬新な”アルバイト募集活動について、一部ネット上などでは「手軽に職に就ける選択肢が広がるのは良いこと」「お客に『あなた無職でしょ』と言う格好になるので失礼だ」など、さまざまな意見が見られる。
そこで今回、スカウト制の狙いや、実際にはどのように行われているのかなどについて、日本マクドナルドPR部に話を聞いた。
–お客をアルバイトにスカウトするという取り組みを、始めた狙いはなんでしょうか?
PR部 実は、当社では以前から個別の店舗ベースでは、お客様をスカウトするというかたちでのアルバイト募集活動を行っておりましたが、4月という多くの方々が新生活をスタートされる節目に、会社としてパンフレットなどのツールを準備し、正式に全店舗統一的に採用活動ができるようサポートを始めたというのが実状です。
–一部では、「フリーターや無職のように見えるお客さんに声をかけているのでは?」との見方もありますが、スカウト対象者を選ぶ基準のようなものはあるのでしょうか?
PR部 明確なものはないですが、一番のポイントは店員のみなさんが「一緒に働きたいと思えるかどうか?」という点です。特にフリーターや無職の方にお声がけをさせていただいているというわけではなく、主婦の方や学生街では学生の方、フレッシュマンの方など、さまざまなケースがあります。
また、「このお客様は、もしかしたら当社でアルバイトをしたいと思っているのでは?」「働いてみようかなと迷っているけれど、一歩が踏み出せないのでは?」と感じるお客様に、背中を押すかたちでお声がけするケースもあります。
–実際にお客に声をかけるのは、やはり店長クラスの方になるのでしょうか?
PR部 もちろん店長のケースもありますが、それ以外にも、アルバイト店員が「一緒に働きたいな」と思うお客様にお声がけするケースもあります。
–各店舗では、どれくらいの頻度でスカウトが行われているのでしょうか? また、スカウトによる採用人数はどれくらいなのでしょうか?
PR部 アルバイトの採用につきましては、各店舗の裁量ですので、具体的な数値は把握しておりません。例えば、「この時期はお客様の数が増えるので、採用を増やそう」という店舗ではスカウト数も多くなる可能性が高いですし、逆に「すでに適正な人員を確保しているので、特に新規採用の必要はない」という店舗では、スカウトが行われないというかたちになります。
–「話題づくりでは?」との声もありますが、そのような要素もあるのでしょうか?
PR部 特には考えておりません。スカウト制は期間限定ではなく通年で行っていく予定でして、並行してウェブ等を使った通常の採用活動も行って参りますので、あくまでそうした採用活動の一環という位置づけです。
–ありがとうございました。
スカウト制が実は以前から行われていたという事実は、意外にもあまり知られてはいないのではないだろうか。