NEW
「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(5月第2週)

日本的雇用慣行のひずみ、スキルの陳腐化…深刻な“仕事消失時代”に突入!? いま重宝されるポータブルスキルとは?

【この記事のキーワード】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

post_2052.jpg
雇用もつなげて欲しかった。(「タカラトミー HP」より)
毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊ダイヤモンド」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。

「週刊ダイヤモンド 5/11号」の特集は『“仕事消失時代”に生き残るビジネスマン』だ。5つの雇用激変(日本的雇用慣行のひずみ、スキルの陳腐化、産業構造の変化、機械との競争、外国人との競争)の嵐が襲い、「今ある職場」「今ある職種」が消失しようとしている。とくに最も割を食うことになるのがミドル世代(30代後半から54歳)だ。

 最近の再就職市場では“従来、動かなかった人”が移動している。2000年代前半の雇用調整局面は製造業の生産要員、海外要員が主流だったが、今回は本社のホワイトカラーも放出されている。企業に65歳までの雇用延長を“実質的に”強いる高年齢者雇用安定法が4月にスタートするなど雇用制度改革をきっかけに長期雇用が前提だった日本的雇用慣行の企業は、組織・業務の効率化を図ろうとしているのだ(『Part1 80歳総勤労時代へ「仕事争奪戦」の幕開け』)。

 玩具メーカー大手、タカラトミーでは1月、150人程度の希望退職を発表。150人程度という規模は、本体と国内連結子会社4社の社員数の17%にあたる大規模なもので、対象となった社員はタカラトミー本体で35歳以上、国内連結子会社4社で40歳以上だ。ところが、応募したのは138人と目標にとどかない。裾野が狭い業界の規模とミドル世代という年齢的に再就職が難しいという現実が社員の希望退職の応募を躊躇させたのではないかと見る(『Part2 5つの激変が招く ミドル世代の受難』)。

 求められるスキルもITリテラシー、英語などは当たり前、いまでは電機メーカーでは、博士号や修士号を持つ者でもリストラ対象に含むようになっている(スキルの陳腐化)。

 薬剤師などの有資格者もITによる機械化(機械との競争)でそれほど必要がなくなった。たとえば、1月からネット販売を開始した医薬品ネット販売大手のケンコーコムではITを活用しており、1カ月間で1日平均1600件の注文を受け、薬剤師への相談は全部で約600件あったが、薬剤師の体制は7人で可能だという。

 産業構造は変化し、今後はサービス業が成長の中心になる。ただし、ホスピタリティ(心からのおもてなし)やコミュニケーションが求められる医療や福祉、教育の現場では、男性よりも女性の雇用機会が増えるのではないかという。  では、ミドル世代はどうすべきか。

 『Part3 40歳から始めようキャリアチェンジの心得』では、業種・職種の垣根を越える“ポータブルスキル”を磨くことが必要だと説く。ポータブルスキルとは業種・職種の垣根を越えてどの仕事でも通用する汎用スキルのことだ。ポータブルスキルを軸に、80歳まで働くための自分のキャリアチェンジを検討してみてはどうだろうか。

 なお、仕事消失現象は「週刊ダイヤモンド」の誌面でも見られるようだ。 『From Editors』の編集長のコラムによると、今号で20年間の連載となっていた巻頭の時評1コママンガ『F氏的日常』(福山庸治)と辛口マネー運用アドバイスの13年間の連載『山崎元のマネー経済の歩き方』が終了だという。さらに、今号書評ページを読んでいると林操氏によるコラム『ベストセラー通りすがり』も9年間の連載が終了だというが、この林氏のコラムについては編集長はとくにふれていない(林氏のコラムは変に書き方にこだわってしまう読みづらいコラムの典型だったので、編集長としてもどうでもよかったのかもしれない)。  

 次号は、ダイヤモンド創刊100周年記念号。次号からは作家の池井戸潤氏、前中日ドラゴンズ監督・落合博満氏、キャスターの小谷真生子氏、デザイナーの佐藤オオキ氏、元外務官僚の佐藤優氏などが新連載陣として登場するのだという。