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藤原直哉の「明快!世界経済予測」 第1回

アベノミクス、ミニバブルに乗ってはいけない?日米欧を襲う同時危機…景気回復のウソ

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東京証券取引所
(「Wikipedia」より)
 冴える舌鋒、明快な解説。気鋭の経済アナリスト・藤原直哉氏が世界経済を大胆予測。巷間に広がる経済ニュースも新たな視点で深読みする。

 アベノミクスで日本国内は景気の良い話が連日報道されるようになりました。
 
 しかし、国際金融システムの視点から見れば、アベノミクスはその場しのぎの政策でしかないことが分かります。ビジネスにおいては、このアベバブルに乗って誤った判断をしないように気をつけなくてはなりません。

 その理由を、これから述べます。
 
 先日、日銀の黒田総裁が莫大な金融緩和を発表しましたが、あれは国内の経済立て直しだけが目的ではありません。

 今、アメリカやヨーロッパは大変な状況です。特にヨーロッパではキプロスの金融危機以降、ユーロが分裂状態になっています。

 国際的な金融危機の中で、アメリカやヨーロッパの中央銀行は、莫大な不良債権の買い入れや国債の増発による紙幣のバラマキを行いました。アメリカの中央銀行FRBは、資産を3倍に膨れ上がらせ、すでに風船はパンパンになり、爆発寸前なのです。

 この危機を救えるのは、もう日本しかなく、国際金融システムの最後の救援金として、日銀のバラマキに期待されているわけです。日銀は国際金融システムの延命治療をしているのです。

 アメリカの景気が上向いていると言われていますが、それには危険なカラクリがあります。実は、アメリカ人は錬金術をしているのです。自動車を買う、家の改築を行うという理由をつけて銀行からお金を借り、それを生活に回しているのです。住宅ローンで家を買い、それに二番抵当をつけて更に銀行から借金し生活に流用したりしています。

 経済が行き詰まるとアメリカ人はこういう錬金術を行うのですが、昨年後半から顕著になり、昨年秋ぐらいにはアメリカ経済にも効果が出るようになりました。つまり一時的なモノの販売が伸び、雇用が改善されたのです。

 しかし、今年の3月になると雇用も悪化し始めました。アメリカは大幅な財政削減を余儀なくされており、オバマ大統領は社会保障や健康保険の国負担を減らす方針を発表し、経済に大きな不安を抱えている状況です。アメリカは金融の穴が開いたままで不良債権の持っていくところがないのです。

●売り抜け相場が“アベバブル”を生む

 アベノミスクでの景気浮揚は見かけだけのものであることを忘れてはいけません。すでにミニバブルが起きているようですが、このバブルに乗ってはいけません。過剰な投資を行ったり、事業の拡大を急いではいけません。

 日本はまだ不景気です。今は「良くなるかも」という期待感だけが先行して株高になっているに過ぎません。安倍政権は最もバブルに乗っかっていますが、やっていることは手品のようなものです。何も決まらず、まだ何も動いていません。TPPも世界的な不景気の時代にまとまるわけがありません。

 しかし、このミニバブルも利用する手はあります。それが「昭和の不良債権の大整理」です。株は今、売り抜け相場です。出来高が高いということは、“買い方”がいるということです。“売り方”が多いと“買い方”が引っ込むのが株の世界ですが、今はおそらく「買い上げファンド」が買っているのです。

 かつて、機関投資家が売り抜けている時に、インチキ相場師にダマされて市場のすっ天井で買わされ、売るに売れなかった人が売り抜けているのです。さらに不動産も、これまで売れなかったものが売れています。損切りしてでも楽になりたいのです。これは20年に一度あるかどうかのチャンスであり、これが最後のチャンスかもしれません。