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時価総額1兆円超に!? ソフトバンクに親孝行

ガンホー株価100万円超 ソフトバンクによるたくみな株価吊り上げの実態

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パズドラ以外はなにがあんの?(『ガンホーHP』より)
「営業利益が初めて1兆円の大台を突破する」。ソフトバンクの孫正義社長は4月末の決算説明会で、2014年3月期の連結営業利益の超強気の見通しを明らかにした。「営業益が1兆円を超えたことがあるのは、トヨタ自動車とNTTの2社だけで、われわれが3社目になるのではないか」と胸を張った。1兆円超の根拠として、連結子会社にしたガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下ガンホーと略)分の1500億円の利益計上があげられる。

 ジャスダック上場のゲーム会社・ガンホーは、もの凄い勢いで株価が上昇し、5月14日に年初来高値の163万3000円をつけた。時価総額は1兆8807億円に達し、ソーシャルゲームのグリー、DeNAを抜き去り、任天堂をも越えた。ソニーに迫る勢いだ。

 “1兆円クラブ”に新たに登場したのは富士重工業、ユニ・チャームとガンホーの3社だ。

 ガンホーは、株式を10分割したにもかかわらず株価は160万円を突破したのである。分割前に換算すると1株1633万円になる。1年前の12年5月15日の安値は14万2700円だったから、1年間で株価は114倍に暴騰したことになる。その後、株価は5月21日に22万7000円安(18%安)の103万4000円となった。高値から60万円近く下げたわけだが、それでも時価総額は1兆円を超えていた。

 ところが5月23日の東京株式市場の暴落の連鎖でガンホーの株価は17万円安(15.5%安)の93万円まで下げた。営業日数で約1週間で高値から70万円下げた計算。高値からの調整率は4割を超えた。

 むろん自然に株価が上昇したわけではない。そこには孫社長によるガンホー株価の引き上げ大作戦があった。

 ガンホーは98年7月、米国のオークションサイトとソフトバンクの合弁会社、オンセールとして発足。孫正義社長の弟、孫泰蔵氏が初代社長で、現在は会長を務める。

 泰蔵氏は福岡県の久留米大学附設中学・高校を経て東京大学経済学部卒。中学・高校時代の同級生にライブドア元社長のホリエモンこと堀江貴文氏がいる。

 しかし、オークション事業は軌道に乗らず撤退。02年8月、韓国のゲーム会社から国内営業権を獲得しパソコン向けオンラインゲームに業種転換。現行の社名、ガンホーに変更した。05年3月に大証ヘラクレス(その後ジャスダックと統合)に上場。当初は人気を集めたが、その後は長期低迷が続く。ソーシャルゲームで急成長を遂げるDeNAやグリーに株価で大差をつけられ影が薄かった。

 鳴かず飛ばずだったガンホーが大化けしたのは、12年2月に提供したスマートフォン(スマホ)向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」(通称パズドラ)がヒットしたことによる。パズドラはモンスターを育て、パズルでバトルするゲーム。パズドラの人気が高まってきたのを好機到来と判断したのが孫社長である。

 これにより株価を上昇させる3本の矢作戦が作動した。

 1本目の矢がはなたれたのは2月14日。ガンホーの12年12月期連結決算と株式の10分割を発表した。売上高は前期比2.7倍の258億円(その前の期は96億円)、営業利益は同7.9倍の92億円(同11億円)、当期利益は同4.9倍の82億円(同16億円)。市場の事前予想を大きく上回る決算に市場関係者は仰天した。

 同時に3月末を基準日として1対10の株式分割を実施すると発表した。ここから株価の暴騰劇が始まる。