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ブラック企業批判に賛成or反対?意外に多い反対意見、「ある種のいじめ」との声も

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「Thinkstock」より
 ワタミ元会長・渡邉美樹氏が自民党の公認を受けて参院選に出馬し当選したことから、再び注目を集めている「ブラック企業問題」。インターネットニュースサイトなどを中心に議論はやかましいが、人々はいったいどのような視線でこの騒動を眺めているのだろうか? インターネット調査最大手・マクロミルの協力の元、全国の1000人にアンケートを実施した。その調査結果から本音をのぞいてみよう

・調査期間:2013年07月12日(金) 〜2013年07月13日(土)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:マクロミルモニター会員 男性500人、女性500人 合計1000人

<調査結果>

Q.「『ブラック企業騒動』についてどう思いますか?」

 1. 社名を挙げてどんどん批判すべき 55.1%
 2. ブラック企業批判はよいが、社名を挙げるのには反対 10.1%
 3. 一部の社員の意見や一部の事実を取り上げて、特定企業をブラックと呼ぶのは反対28.1%
 4. そもそも特定企業に対し、ブラックだと批判すること自体反対2.3%
 5. その他 4.4%

<解説>

 まず、ブラック企業に対して「社名を挙げてどんどん批判すべき」という回答をした人が、過半数以上となる55.1%。やはり、ブラック企業に対しては厳格な対応をすべきという声が大きいようだ。4月には自民党がブラック企業の社名公表を政府に提言したが、参院選のマニフェストに盛り込まれず。また、「ブラック企業批判はよいが、社名を挙げるのには反対」という回答を選んだのは10.1%。圧倒的多数が、ブラック企業の社名公表を望んでいるようだ。

 その一方で「一部の社員の意見や一部の事実を取り上げて、特定企業をブラックと呼ぶのは反対」という、やや慎重な回答も28.1%寄せられている。一部の社員にとってはブラック企業でも、その他の社員にとってはホワイト企業という場合も考えられる。ブラック企業であるか否かは、会社の全体を見て判断をするべきだろう。

 だが、「そもそも特定企業に対し、ブラックだと批判すること自体反対」という回答はわずか2.3%にとどまっていることから、ブラック企業に対しては、ほとんどの人が何かしらの対策を打つべきという意見のようだ。『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)を執筆した今野春貴氏が「ブラック企業問題は、若者の未来を奪い、さらには少子化を引き起こす。これは、社会保障や税制を根幹から揺るがす問題である」と記している。今野氏の書くように、もはや他人事ではいられない問題なのだ。

 では、具体的にはどのような意見を持っているのだろうか? 自由回答に寄せられたコメントを見てみよう。

「社名を公表して法的・社会的な制裁を行うことが必要。ただし、ブラックの認定は適正な手続・判断のもとでなされるべき」(男性/30歳)
「ブラック企業と判断する基準を、もっとハッキリさせてほしい」(男性/53歳)

と、「ブラック企業の基準」を求める声が多い。確かに、曖昧な基準でなされているブラック企業認定。前出の渡邉氏が自身のブログで離職率、年収、時間外労働時間、メンタルヘルス率などの数値を引き合いに出しながら「ブラック企業ではない」と強弁したことも記憶に新しいだろう。

 しかし、基準が設定されたとしても、社員を使い捨てにするようなブラック企業の悪知恵があれば、この基準をクリアしているように見せかけるのはやさしいはず。どんな方法を使っても、企業側が操作できないような仕組みを構築する必要があるのではないか。

 また、

「本当に悪質な会社は批判されて当然。しかし、その見極めは難しい」(女性/40歳)
「本当にブラックなのか、そしてなぜブラックになってしまったのかの判断が必要。端的に批評するのは、ある種のいじめに相当する」(女性/45歳)

という慎重な意見も見過ごせない。ブラック企業問題が過熱するに従って、一部マスコミの論調は「バッシング」に成り下がっている感も否めない。大多数の国民が対策を願っている問題だからこそ、ブラック企業問題に関しては冷静な議論が必要だろう。
(文=萩原雄太/調査協力=マクロミル)

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