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佐藤さんは刑事告訴を準備中で、担当の桃谷一秀弁護士はこう語る。
「三菱東京UFJに対し内容証明付きの質問状を送っており、ポイントは4つです。まず、YとKは銀行員として知り得た個人情報を外部に漏らしており、次に3人で共謀して詐欺的商法のスピーシーで3億8000万円の被害を生じさせました。3つ目は、YとKがスピーシーを勧めた行為は、出資法3条『金融機関の役職員による浮き貸し等の禁止』に抵触する行為に当たります。最後は、YとKを雇った銀行の使用者責任です」
KとSの代理人である川戸淳一郎弁護士にも話を聞いた。
「Sがインドネシア事業の名目で詐取した2300万円については全額返却する用意があります。また、Kが佐藤さん宅から持ち出したとされる1000万円について、本人は『もらったもの』と弁明しています」
そもそも3人はなぜマルチ商品への投資を勧めたのかといえば、スピーシーからの紹介料のためだろう。川戸弁護士は「佐藤さんを紹介したことで、KとSは計1200万円もらっている」と認めた。Kは銀行員でありながら、マルチ商法に加担していたわけだ。一方、Yについては「スピーシーの会員名簿にYの名前は出てこないので、わからない」としている。
桃谷弁護士から4つの責任を問われた三菱東京UFJは、今後どう対応するつもりなのか。桃谷弁護士が設定した当初の回答期限は9月12日だったが、銀行側は「調査中につき、今月いっぱい待ってほしいと」と申し出をしてきた。現在、回答を待っているところではあるが、今後の動向が気になるところである。
(文=編集部)
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