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世の中のトレンドをいち早くつかんで紹介する松井克明の「経済メディアウォッチ」

ゲーセン、マン喫…「女性」に活路を見いだす縮小業界と、儲けられない吉野家のジレンマ

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日経MJウェブサイトより
 新しくスタートする「経済メディアウォッチ」。日刊紙、経済誌、単行本やネットメディアの経済関係の記事、論調の中から、ビジネスパーソンが知っておきたいトレンドを紹介。ナビゲーターは、かつて月刊誌「噂の眞相」の経済記事を中心に担当し、2004年の同誌休刊後は編集者として『アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』(アスペクト社刊/08年)、『コワ~い不動産の話』(宝島社刊/10年)などのベストセラーを出しているCFP・松井克明。

 第1回目の今回、取り上げるのは日本経済新聞社の消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙「日経MJ」。MJとはマーケティングジャーナルの略だ。1部170円と、日経本紙(160円)よりも高いが、週3回(毎週月・水・金)経営学的な視点に特化して発行されるので、ビジネスパーソンにはおすすめだ。

 今回のキーワードは「女性」。縮小傾向にある市場で女性に活路を見いだそうという企業の試みが目立った。

●釣り具、女性客を狙った商品づくりで売り上げ増

 まず、12月11日付同紙1面『スポーツ用品 グローブライド 女子の発想 初心者一本釣り』という記事によれば「スポーツ用品メーカー、グローブライドが健闘している。扱うのは釣りやゴルフ、テニスと競技人口が縮小傾向にある分野の商品が中心。そうしたなかでも、2013年度は積極投資に伴う3期ぶりの営業減益ながら2期連続の増収を見込んでいる。09年に『ダイワ精工』から社名変更し、女性ら初心者が欲しくなる商品づくりを強化」したのだという。釣り具で国内最大手の同社は、商品開発やイベント企画で女性を徹底活用。釣り分野での「女性用ウェアは12年度の販売額が10年度比で約2.4倍に増えた」ほどだ。

●ゲームセンターも女性客取り込みを図る

 縮小傾向にある市場が女性をターゲットにするという動きは、ゲームセンターも同様。

 12月4日付同紙3面『ゲーセン 女性入りやすく アドアーズ』によれば「アドアーズは運営するゲームセンター『アドアーズ』で14年3月期までに女性従業員の比率を現在の2割から5割に高める」という。

 いまやスマホで無料ゲームができる時代になり、街のゲームセンターも撤退が目立っている。日本生産性本部の調査では、ゲームセンターの市場規模は11年が4660億円で、ピークだった07年から3割減少と縮小傾向だ。アドアーズも13年3月期の既存店売上高は、前年同期比7.6%減で5年連続の減少になっている。この状況を打開するため、女性客の取り込みを図ろうというのだ。

 女性客の傾向はクレーンゲームを好むことだ。「実際、クレーンゲームの構成比が高い『アドアーズサンシャイン店』(東京・豊島)では来店客の35%を女性客が占める」という。さらに女性スタッフを増やすことで女性客が入りやすい環境を整え、来店客の女性比率を2割から3割に高めるのが狙いだ。

●女性専用エリア設置で、女性客の取り込み強化

 マンガ喫茶も同様の傾向がある。

 11月29日付『複合カフェ「快活CLUB」、女性専用エリア150店に』では、マンガ喫茶も「ターゲットは女性客」と報じている。「ヴァリックは女性客の取り込みを強化する。女性専用エリアを備えた複合カフェ『快活CLUB』を4年で150店展開する」という。女性専用エリアでは女性が過ごしやすいようにLED照明付きの鏡があり、ヘアアイロンの無料貸し出しサービスもある。

「通常個室は深夜に利用が集中するが、女性専用個室は夕方の稼働率も高い。『食事に行く前に身だしなみを整える人が多い』(同社)からだ」

 女性専用エリアのある店の女性客の割合は30%と、既存店平均の15%よりも高く、来店客数の押し上げを狙う。