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ファミリー層で気軽に入れること、子どもがワイワイガヤガヤ気兼ねなく楽しめることは、味以上にマクドナルドの価値だったのだが、同社は自らその価値を手放してしまった。そして同社を離れたファミリー層は、増加傾向にあるガストやサイゼリヤなど低価格帯ファミリーレストランや飲食メニューの充実著しいコンビニ食に流出していったのだ。
●低迷は長引くと考える理由
子どもの消えたマクドナルドは、今後、苦境も続くことが予想される。なぜなら、同社のマーケティングは幼児期からの味の刷り込みにもあるからだ。これは大手外食チェーンにおける暗黙の法則だ。同社やコカ・コーラなどは、子どもの頃からその味を覚えさせることによって、自社商品を口にするという行動を習慣としても刷り込んでいくのだ。ファミリー層の断絶を招いた日本におけるマクドナルドの失策の影響は、数年〜十数年にわたって及んでいくことになる。
そして、マクドナルドに活気が少なくなったことが報道されればされるほど、人々の心は離れていく。人は人気のない店には行きにくいものだ。真偽のほどはともかく、同社の商品に関するさまざまな健康への悪影響を示唆する情報が流れる中で、同社の商品を積極的に子どもに食べさせたいと思う親は少ない。今まで気にならなかった悪い部分が、徐々に気になっていくものだ。このあたりも同社にはボディブローのように響いていく。
新しいカサノバCEO体制のもと、ハッピーセットのCMを流すなどファミリー層の再誘客に躍起になっているが、マクドナルドの苦戦はまだまだ続くだろう。
(文=新井庸志/株式会社ホワイトナイト代表、マーケティングコンサルタント)
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