ポジティブ視点の考察で企業活動を応援、企業とともに歩む「共創型メディア」/Business Journal
NHKハイジャックもくろむ財界の大物に局関係者が恐々?新会長「従軍慰安婦発言」の背景
1月25日の就任会見で話した内容も、葛西氏の考えを代理で語っていると思っていいのである。要は、NHKの事実上の会長は葛西氏なのである。葛西氏は前述したように、愛国心教育の普及と原発推進に熱心で、徴兵制導入も煽っているとされる。思想的には安倍首相とぴったり重なる。一部では「対中国との開戦も望んでいる」(名古屋財界)との声もある。NHK関係者は「新体制になって、葛西氏が操り人形の籾井氏を通じて現場の番組づくりにも口を出してくる可能性が高い」と言う。
NHKが「安倍・葛西流国益放送」になる日も近づいている。すでに2015年の大河ドラマがまったく無名の存在だった長州藩(山口県)出身・吉田松陰の妹を描く『花燃ゆ』と決まったのも、安倍首相の地元(山口県)に配慮してのことと見る向きもある。大河ドラマの舞台となれば、観光収入のアップなど地元への波及効果が期待される。
葛西氏は15年4月に、JR東海の代表取締役会長から代表取締役名誉会長に就く。名誉会長という文字通り名誉職に退きながら、代表権を持って取締役に残ること自体、日本のコーポレートガバナンス上、極めて異例なことだ。上場している大企業ではほとんど見られない役員人事でもある。後進に道を譲らず、自分が事実上のトップとして君臨し続けて影響力を残そうということであろう。こんな人物に公共放送であるNHKがハイジャックされていることを、受信料を払っている国民は知っておくべきである。
(文=編集部)
RANKING
UPDATE:23:30