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経済予測は嘘だらけ?経済予測本は、昨年をどのように“予測”していたか?煽られる危機

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「Thinkstock」より
 書店には経済予測本があふれている。予測するエコノミストの実力はどれだけのものなのか。2013年度末を迎えるに当たり、「2013年」を表題にした経済予測本はどんな世界を予測していたのかを検証してみたい。

 まずは、10年代初頭の状況を思い出してみると、日本の財政状況は相変わらず世界最悪の危機的状況にあった。10年にギリシャの財政危機が深刻化すると、日本も明日にでも財政破綻するのではないかと予測する本が乱発された。民主党政権下でIMF(国際通貨基金)の支援を受けるべきではないかという声まで出ていた。しかし、11年3月、東日本大震災という予測外の事態の発生により、それまでの予測本は過去のモノとなった。

 その後、再び危機が煽られ始めたのは、米FRB(連邦準備制度理事会)が行ったQE2(量的金融緩和第2弾)終了の頃に当たる11年6月末頃だ。11年7月発行の『2012年、日本経済は大崩壊する』(朝倉慶/幻冬舎)は、次のように債券相場の大暴落を予測した。

「リーマンショック後、FRBは資産を3倍に膨らませ、ドルを刷るだけ刷りました。そしてもうドル紙幣を刷ることは止める、QE2は終了、印刷終わり! というのですが、これほどドラスティックな変化なのに、市場に影響を与えずに乗り切れると思っているのでしょうか?」「残された時間はそう長くはありません。6月末にQE2が終了した段階から、いつ大変化が訪れてもおかしくはありません。この世界のシステムを破壊させる債券相場の大暴落(インフレ)という津波の襲来まであと1年もないでしょう。早ければ11年夏、遅くとも12年の秋までが我々に残された時間と思えばいいでしょう」

 しかし、「残された時間」の期限のはずの12年9月には連邦公開市場委員会(FOMC)はQE3を発表し、債券相場が大暴落するという事態は発生しなかった。

●アベノミクスの予測は困難だった?

 さらに11年11月に出版された『2013年 大暴落後の日本経済』(中原圭介/ダイヤモンド社)が財政危機目前の日本に対し、13年、海外のヘッジファンドが日本売りを仕掛け、国債が暴落するというシミュレーションをしている。

「13年4月には、ヘッジファンドの日本国債の売りが目立つようになり、日経平均株価は6700円台、1ドル106円、長期金利は2.985%と株安、円安、債券安のトリプル安になる。政府が消費税10%、年金支給開始年齢の引き上げ、医療費の削減などを盛り込んだ緊縮財政策を発表し日本売りは収束する。しかし、国民の生活水準は低下し、社会不安が広がり、窃盗、略奪などの犯罪が増加する」

 このような13年の予測だったが、ご存知の通り12年末から安倍政権による経済政策、いわゆるアベノミクスへの期待感から外国人投資家の資金が流入。20年の東京オリンピック開催も決定し、13年は景気回復が期待された1年となった。

 12年11月に出版された『2013年 世界経済総崩れの年になる!』(高橋乗宣・浜矩子/東洋経済新報社)は、「1ドル50円台時代を展望している」としたが、アベノミクスで円安に進んだ。これについては「アベノミクスという経済政策の採用は予測不可能だった」との言い訳が成り立ちそうではあるが、高橋乗宣・浜矩子の2人は、経済危機を予想する著書を、毎年、東洋経済新報社から出しているのだが、煽るだけ煽って後からの検証はしていない。

●経済予測の大御所も大ハズレを連発

「大統領選挙はどうなるのでしょうか? 結論から言うと、オバマ大統領の再選は50%以下と見てよいでしょう。最大の理由は、オバマ大統領が目指す『大きな政府』が国民の支持を得ていないことにあります」と、12年11月の大統領選挙でオバマ大統領が再選できないと予測したのは、12年3月に出版された『2015年までは通貨と株で資産を守れ』(中原圭介/フォレスト出版)。

 その根拠は「過去の米国の大統領選を振り返ると、失業率が7%以上の状況で再選を果たした大統領は、1980年代のレーガン大統領1人しかいません。現在、直近の12年1月の失業率は8.3%ですが、職探しをあきらめて労働市場から去った人も多く、実際の雇用環境は数字以上に悪いといわれています」としている。しかし、共和党のロムニー候補を破り、オバマ大統領が再選したのは知っての通り。ただし、中原氏だけが大ハズレというわけではない。