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私たちは、選手たちに対し、大学卒業後の進路として必ずしもJリーガーを勧めません。その代わり、日本最高峰のアマチュアサッカーリーグ、JFLという道も提案します。JFLのチームに入ったほうが、Jリーガーになるより収入面で恵まれることも多く、保証もある。もちろん、好条件を提案されればJリーグを勧めますが、現実はそうではない。Jリーグが声をかけてくる選手なら、JFLのチームに話をすれば、JFLも条件を提示してくれる。両方の条件を見せて、将来的な話を選手にします。けれど、選手たちは、過酷な契約条件でも、やはりJリーガーを目指しますね」
選手たちのサッカーへの思いが、皮肉なことにも過酷な労働環境を助長してしまっている。「J3が最たる例だ」とサッカー関係者たちは口を揃える。
ちなみにJリーグには、無報酬のアマチュア契約も存在する。これは11年に、水戸ホーリーホックが鈴木隆行と結んだことで話題になったが、同クラブの懐事情を知っている鈴木が、自ら申し出た契約である。
元日本代表選手は、現役続行を希望していたが、「あるJ2クラブから提示された金額が月で10万円程度だった。それを見て『これが俺の価値か。潮時だな』と引退を決めました」と語ってくれた。Jリーガーには夢がある。その半面、それ以上に過酷な現実があることも忘れてはいけない。
(文=石井紘人/@FBRJ_JP)
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