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プロ野球球団、なぜ女性ファン獲得に躍起?カープ女子で巨額経済効果、カープの経営戦略

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「広島東洋カープ HP」より
 今年のプロ野球「マツダ オールスターゲーム2014」は、ファン投票でセ・リーグは広島東洋カープから8人が選ばれる異例の展開となった。投手は先発が前田健太、中継ぎが一岡竜司、抑えがミコライオ。内野は一塁/キラ・カアイフエ、二塁/菊池涼介、三塁/堂林翔太。外野は丸佳浩とエルドレッド。躍進を後押ししたのは広島カープを熱烈応援する女性ファン、いわゆる「カープ女子」だ。

 カープ女子を全国ブランドに押し上げたのはNHKだ。2013年9月30日放送の『ニュースウオッチ9』の特集『なぜ首都圏で急増?カープファン』という特集の中でカープ女子という言葉が使われ、そのネーミングが一気に全国に広がった。プロ野球12球団でリーグ優勝から最も縁遠かったカープが昨シーズン、セ・リーグのクライマックス・シリーズに進出し、さらにカープ女子の知名度は高まった。

 カープの女性ファンが増えたきっかけは、1975年にジョー・ルーツ監督が導入した「赤」のチームカラー。当時は「女の子の色」と皮肉られたが、今では女性に一番似合う色として受け入れられている。スタンドがカープ女子のユニフォームである赤に染まるのは、本拠地マツダスタジアムとは限らない。関東でも関西でも、多くのカープ女子が球場に足を運び、ビジター側スタンドを真っ赤に染めるほどの人気なのだ。

 全国ブランドとなったことに目を付けた球団は、今年5月の中日ドラゴンズ戦で「関東カープ女子 野球観戦ツアー」を実施した。約150人の参加者は入場券と食事代の6500円を負担するだけ。東京-広島間の往復の新幹線代は球団が負担し、資生堂による「メーキャップ講座」を開くなど至れり尽くせりの内容。実は球団が400万円を負担する赤字の企画だった。

●変貌遂げる球場

 プロ野球ファンは年々高齢化が進んでいるが、最近は野球よりサッカーをする子供が増え、プロ野球の将来は楽観できない。球場はビール片手に観戦する男性ファンのくつろぎの場だったが、今では様相が一変した。プロ野球ファンの女性、いわゆる「野球女子」の増加により、球場の雰囲気はがらっと変わった。

 カープ女子ブームに続けと各球団は、野球女子の取り込みに頭をひねるが、特に熱心なのがパ・リーグだ。プロ野球12球団のファンクラブで女性ファンの割合が4割を超えているチームは4つある。福岡ソフトバンクホークスと東北楽天ゴールデンイーグルスが45%、北海道日本ハムファイターズは44%、そしてカープは42%だ。

 5月11日、ソフトバンクの本拠地ヤフオクドームはカープ女子の向こうを張った「タカガールデー」で大いに盛り上がった。ソフトバンク対埼玉西武ライオンズ戦の女性来場者全員にピンクのレプリカユニフォームが配られた。入場数は定員いっぱいの3万8561人。このうち女性ファンが2万8450人と4分の3弱を占めた。始球式にはピンクのユニフォームを着たモデルの益若つばさが登場し、一~三塁のベースだけでなく、ネクストバッターズサークルやマウンドのチームマーク、スコアボードもピンク色に変えられた。名物のジェット風船や勝利の花火もピンク一色にするという力の入れようだった。ドーム球場はピンク一色に染まった。