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都道府県間の東大・京大進学率、深刻な格差と意外な調査結果 青森は奈良の40分の1

文=島野清志/評論家
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都道府県間の東大・京大進学率、深刻な格差と意外な調査結果 青森は奈良の40分の1の画像1東京大学(「Wikipedia」より/FrancisTyers)
 8月25日に文部科学省がまとめた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は、今年から学校別の成績を公表できるようになり、公表をめぐっては各教育委員会で意見が割れている。

 そのため、各教育委員会がどのような対応をとるのかに注目が集まっているが、学力テストに限らず、教育に関係する各種ランキングは数多く作成され、インターネット上などでもさまざまなものが流布されている。ただ、あまりに露骨であるためなのか、都道府県別の進学力を示したものはあまり見当たらない。東京大学、京都大学の合格者数を都道府県別に記したものはあるが、人口が集中する大都市と域内に著名進学校を数多く抱える都府県が優位になるのは当たり前ともいえる。

 それではより掘り下げて、各都道府県の人口を考慮した真の進学力、言い換えれば進学率を計ってみたらどうなるのかを調査してみよう。ちなみに今回進学率として、各都道府県別に在住する高校生の数と、それぞれの東大・京大の合格者数の対比により算出した数値を使用する。

 事前に結果を教育関係者や教育に関心の高い保護者などに予想してもらった。

「人数を考慮しても、東京、神奈川、兵庫あたりがトップ争いをするのではないか。進学校の絶対数が違いますからね」(私立高講師)

「東京と教育熱心といわれる愛知、進学校が数多くある兵庫、神奈川で上位は決まりでしょう」(私立進学校に通う中学生の保護者)

「東京がトップ、後は神奈川、兵庫。千葉、埼玉あたりも上位にくるのでは」(調査会社社員)。

 やはり人口集中地域が有利との見立てであったが、結果はやや意外なものになった。

●奈良と京都、北陸地方が健闘

 トップになったのは奈良、次いで京都と、日本を代表する古都コンビが最難関大学への進学率でワンツーを占め、開成高校、灘高校という進学校の双璧を擁する東京、兵庫を上回った。上位の顔ぶれを見ると7位の神奈川、10位の愛知あたりは順当といえるだろうが、5位の大阪、8位の広島は意外な印象を持つ方も多いかもしれない。特に大阪は全国学力テストでも下位の常連で、学力不振エリアとのイメージは根強い。ただ両府県ともに「早い時期から行政の肝いりで公立校のテコ入れを行い、最近はその成果が現れている」(私立高講師)という事情があるようだ。

 地域として健闘しているといえそうなのが、北陸地方だろう。8位に入った石川、11位の富山、17位の福井と上位に入っている。いずれも県内在住の高校生の数は4万人に満たず、上位の都府県のように毎年大量の東大・京大合格者を出す私立有名進学校も存在していない。

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