YouTube、ニコニコ動画、pixiv、NAVERまとめ、食べログ、2ちゃんねるなど、ユーザーが自らコンテンツを投稿し、それらを閲覧するために新たなユーザーが集まるサービスが活況です。サービスの隆盛は、集まるコンテンツのクオリティと量に大きく左右されるため、優秀なクリエイターを抱え込むことが重要となります。そんな中、コンテンツ提供者に対して、インセンティブとして金銭を提供するネットサービスが増えてきています。今日は、そうしたサービスの動きと、それに伴って変化するユーザーの姿についてお送りします。
国内の有力動画サービスとしてよく比較されるYouTubeとニコ動は、どちらもインセンティブを動画投稿者に支払っています。YouTubeは2008年から「YouTubeパートナープログラム」を開始し、希望する投稿者の動画に広告を掲載することで、その広告収益の一部を投稿者へと還元しています。継続的に多額のインセンティブを稼ぐヘビーユーザーはYouTuberと呼ばれますが、海外で人気のYouTuberには年間10億円近い支払いを受ける人も多数誕生しており、日本国内でもHIKAKINなどの所属するトップYouTuberネットワーク「uuum(ウーム)」が企業化するなど、プレイヤーのプロ化が進んでいます。
また、ニコ動も11年より「クリエイター奨励プログラム」として、自分のオリジナル作品であることを宣言した投稿者に、動画の人気度に準じてニコ動で使えるポイント「ニコニコポイント」もしくは現金でインセンティブを支払っています。ニコ動での人気の高い、いわゆるボカロ曲のクリエイターや歌い手の中には、1つの動画で数十万円を稼ぐユーザーも多く存在し、14年3月には以下のように報じられています。
「総支払額は8億3901万3368円で、100万円以上を受け取ったユーザーは171人。500~999万円は18人(直近12カ月では8人)、1000万円以上は11人(同3人)と、『これだけでご飯を食べていける程度』(伴さん)の収入を得る人も出てきている」(3月31日付ITmedia ニュース記事『niconico「クリエイター奨励プログラム」、総支払額8億3000万円超 「これだけで食べていける人も」』より)
しかし、一部のユーザーからは「本来のニコ動の文化にはそぐわない」とポイント制度に批判的な声も上がっています。
●「引用」が加速するキュレーションメディア、NAVERまとめ
さまざまなサイトから関連情報を集めて編集し、ユーザー自らまとめ記事を簡単に作成することができるNAVERまとめもまた、記事に集まったアクセス数に応じてユーザーにインセンティブを支払っています。報酬額は年間1500万円を超えることが7月に発表されました。