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小林敬幸「ビジネスのホント」(12月10日)

アベノミクスは経済を動かしていない 景気への影響小、「燃費の悪い」経済政策

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11月25日、月例経済報告等に関する関係閣僚会議に出席する安倍晋三首相(「首相官邸HP」より)
 2日に衆議院総選挙(14日投開票)が公示され、アベノミクスへの評価がかまびすしい。だが、ビジネスの現場の感覚からすると、政治家たちがテレビで口角泡を飛ばしている議論は、どこか前提と軸がずれているように感じる。そうした論点をいくつか挙げてみたい。

(1)アベノミクスの影響力の評価


 現在の経済状況の良い点も悪い点もすべてがアベノミクスにより起こったわけではない。端的にいえば、賛否両方がいうほどアベノミクスは日本経済を動かしていない。それ以外の要因が、今の経済状況に影響しているのだ。

・5%から8%への消費増税(4月)の是非を、アベノミクスと一緒に議論すべき

『ビジネスをつくる仕事』(小林敬幸/講談社現代新書)
 自民党も民主党も、消費税を8%に上げたことの是非については議論から除外している。両党合意だったからだろうが、現在の経済状況に大きな影響を与えた政策なのだから、よく検証・議論して今後の経済政策に生かさなければならない。安倍政権の経済政策の総括をいえば、アクセル(アベノミクス)とブレーキ(消費税増税)を同時に踏んだので、燃費の悪い施策になってしまった。大きなリスクを張った割には景気にも財政にも効果が少なかった。

・アベノミクスは開始直前に出始めていた経済回復傾向を後押ししたにすぎない

 アベノミクス開始直前、米国経済の復調を受けて景気が少し上向き始め、経常収支の黒字が減り、そのために円安の傾向が出て、株価にも上昇傾向がみえていた。アベノミクスは、大きく方向転換をしたというよりも、民間の自然な力で回復軌道に乗りだした頃に「車の後押し」をして、その方向で前へ進ませたというのが実態に近い。

・非民主党政権のプラス効果