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産経新聞の改竄・捏造事件、謝罪に追い込んだマスコミ誤報検証サイト「GoHoo」の威力

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マスコミ誤報検証・報道被害救済サイト「GoHoo」
 産経新聞は、朝日新聞社の新体制を報じた6日付朝刊記事『木村前社長処遇 なぜ二転三転』でジャーナリスト江川紹子氏のコメントを不正流用したとして、9日付朝刊で記事を取り消すとともに、以下の「おわび文」を掲載した。

「産経新聞は6日付で『木村前社長処遇 なぜ二転三転』の記事を掲載しました。この記事中にある江川紹子氏のコメントは、朝日新聞社の木村伊量前社長の顧問就任辞退が判明する前に取材した内容に、その後の江川氏のツイッターの内容を反映させ、江川氏の承諾を得ずに作成したものでした。本来なら、顧問就任辞退が判明した後に、江川氏に再取材をした上で、記事にしなければなりませんでした。
 
 今回、外部から指摘があり、事実関係を調査した結果、記事を取り消すとともに、紙面でおわびする必要があると判断しました。ご迷惑をおかけした江川氏、関係者と読者の皆さまにおわびいたします」

 このおわび文の中で出てくる「外部」とは一体、何を指しているのか。それは、「日本報道検証機構」という聞きなれない団体だった。この団体は、「GoHoo」(http://gohoo.org/)というマスコミ誤報検証・報道被害救済サイトなどを運営しており、主に全国紙・通信社の誤報を網羅的に収集・検証している。

 今回の産経の不正流用問題は、朝日が一連の誤報・記事取り消し問題を受け設置した「信頼回復と再生のための委員会」社外委員であるジャーナリスト江川氏が、産経記者から木村前社長が顧問になることについて取材を受けコメントしたにもかかわらず、産経がそのコメントを改竄して使用していたもの。

 江川氏は6日朝、産経朝刊に自身のコメントが掲載されていることに驚き、自らのツイッターで木村前社長の顧問辞退が明らかになった後は産経の取材を受けていないことを明らかにした。同機構がこの事実を知り、江川氏に対して、コメントした時点での産経記者とのやりとり、その後の経緯など詳細を取材。江川氏は、産経記事は「捏造に近い」と指摘し、「不正な流用で一部改竄に当たる」との認識を示したことなどを運営しているサイトに掲載した。さらに、同機構は産経に事実関係を指摘してコメントを求めたが、「一部の関係者と連絡がとれず、回答期限までに間に合わない」との回答が寄せられたことなども明らかにした。

 これらの同機構による一連の報道により、産経は追い詰められ記事の取り消しとおわび文の掲載に至ったというのが事の顛末だ。

●不偏不党と徹底したファクト・チェック


 同機構は2012年3月、元産経記者で弁護士である楊井人文・代表理事が立ち上げた団体。同年4月から「GoHoo」の運営を開始し、11月には非営利型一般社団法人として正式に設立し、現在は約10人体制(非常勤含む)で不偏不党と徹底したファクト・チェックをモットーに、マスメディアが正確に報道しているかどうかを第三者的に調査・検証し、報道品質向上を促す活動を続けている。