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KDDIの焦り 格安スマホ参入もドコモに見劣りか「画一サービスで勝てるのか」と疑問も

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KDDI本社が所在する東京・ガーデンエアタワー(「Wikipedia」より/呉)
 KDDINTTドコモとの勝負に出た。ドコモが実質的にシェアを独占しているMVNO(仮想移動体通信事業者)市場に風穴を開けるのが狙いだ。

 KDDIは昨年8月に設立した子会社KDDIバリューイネイブラーを通じ、自社の携帯電話回線auのLTE網を活用したMVNOサービス「UQモバイル」を昨年12月から開始した。月間2Gバイトまでのデータ通信を月額980円から利用できる「データ高速プラン」をはじめ、4種類の料金プランをラインナップ。自社通販サイト「UQモバイルオンラインショップ」とビックカメラ、ヤマダ電機など家電量販店の店頭で販売している。

 当面は自社ブランドでサービスを展開するが、今後はパートナーを募り、他社ブランドのパートナー戦略展開を主力にする考え。3年間で100万回線の契約を目指す。また、サービス開始に合わせUQモバイル用格安スマホ2機種(京セラ製と韓国LG電子製)も発売した。

 KDDIバリューの菱岡弘社長はサービス開始に先立つ12月11日の記者会見で、次のようにMVNO事業参入の目的を語った。

「1社がMVNO市場を独占し、利用者にネットワークの選択権がないのは公正な競争環境ではない。利用者が選択権を行使できるよう、UQモバイルで独占市場に風穴を開けたい」

 こうした表向きの理由はさておき、KDDIはなぜ子会社を設立してまでMVNO事業に参入する必要があったのだろうか。

●MVNOへの回線提供、ドコモの独占状態


 MVNOとはKDDI、ドコモなどの携帯電話キャリアから携帯電話回線を借り、この回線に独自の通信サービスを付加して回線を再販売する携帯電話事業者のこと。MVNO市場には先発の日本通信に加え、NTTコミュニケーションズ、インターネットプロバイダ老舗のIIJ(インターネットイニシアティブ)など多くの通信系事業者が参入、激しい競争を繰り広げている。最近では、各社が自社の格安通信サービスと端末をセットにした「格安スマホ」が人気を集めている。格安スマホ市場では、その口火を切ったイオンとこれに追随したビックカメラなどの流通系に加え楽天、ニフティなどのいわゆる「スマホ第三勢力」も台頭してきている。
 
 MVNO市場は2012年頃から急成長の勢いを示している。IT市場調査専門のMM総研が昨年6月に発表した「国内MVNO市場規模の推移・予測」によると、13年度末(14年3月)時点のMVNO回線契約数は前年度比42.7%増の1480万件、売上高は同31.9%増の4710億円と急増している。また、携帯電話回線契約数全体に占めるMVNO回線契約数は9.4%に達している。同社は、これが16年度末には回線契約数が3240万件(12-16年度末までの年平均成長率32.9%)、売上高が7680億円(同21.1%)に拡大すると予測している。