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9セルで読み解く 川上昌直のビジネスモデル・シンキング

実は経営者も「ロジック」に弱い?成功企業が実践している「儲ける仕組み」

文=川上昌直/兵庫県立大学教授
実は経営者も「ロジック」に弱い?成功企業が実践している「儲ける仕組み」の画像1
実は経営者も「ロジック」に弱い?成功企業が実践している「儲ける仕組み」の画像2『ビジネスモデル思考法 ストーリーで読む「儲ける仕組み」のつくり方』(川上昌直/ダイヤモンド社)

 顧客満足を追求し、同時にいかに継続的に儲けるか考える――。そんなビジネスモデルのロジックを持っているビジネスパーソンは少数です。

 しかし、顧客満足と利益は同時創出し、かつ実行に移さなければ、新規ビジネスを必死で生み出しても、既存ビジネスに手を加えても、それは決して「儲けるビジネス」になりません。

 そこで本連載では、9セルというフレームワークを利用したビジネスモデル思考法についてお伝えしていきます。9つの質問に答えれば、これからのビジネスで具体的に何をやるべきか、はっきりと見えてきます。“ビジネス脳”を鍛える場としても、活用してください。

●なぜ「顧客満足」と「利益」を同時創出できないのか

 ビジネスモデルを一言で言うと、「儲ける仕組み」です。もう少し付け加えると、「顧客に満足を、企業に利益をもたらす仕組み」です。筆者が提唱しているビジネスモデル・シンキングとは、これをロジカルに整理した思考法です。

 なぜ、ビジネスモデル・シンキングが必要なのでしょうか。それは多くのビジネスパーソンが、「顧客満足」と「利益」を切り離して考えているからです。そもそもビジネスの目的は、顧客満足を追求し、世の中をよりよくすること。それを支えるためにも、いかに継続的に儲けるかを考えなくてはなりません。つまり、本来、ビジネスは「顧客満足」と「利益」を同時創出すべきものです。

 しかし、営業やマーケティングなどに向いている人は直感的な右脳系(顧客満足)の仕事が、財務や経理などに向いている人は論理的な左脳系(利益)の仕事が得意なので、そこだけに集中します。両者はしばしば、「もっと予算があれば販促費に充てられるのに」「販促費にコストがかかりすぎて利益が圧迫される」といったかたちで対立します。二律背反なものとして捉えているので、「こちらを立てれば、あちらが立たず」と半ばあきらめています。

●「顧客満足」と「利益」――それを実行する「プロセス」を網羅した9セル

 筆者は経営学者の傍ら、多くの企業のアドバイザーとして経営改革や事業再生に携わっていますが、事実、「顧客満足」と「利益」を同時に考えるロジックを持っている人はほとんどいません。経営者でもロジックを用いて考えることは少ないです。ただし、名経営者ほど事業全体を体系的に把握し、直感的に意思決定することに長けているため、結果として「顧客満足」と「利益」の同時創出を実現しています。こうした実情を踏まえ、名経営者の思考方法そのものを可視化できないか考え、ビジネスモデル・シンキングに落とし込んでいきました。

川上昌直/兵庫県立大学教授

川上昌直/兵庫県立大学教授

「現場で使えるビジネスモデル」を体系づけ、実際の企業で「臨床」までを行う実践派の経営学者。
初の単独著書『ビジネスモデルのグランドデザイン』(中央経済社)は、経営コンサルティングの規範的研究であるとして第41回日本公認会計士協会・学術賞(MCS賞)を受賞。
ビジネスの全体像を俯瞰する「ナインセルメソッド」は、さまざまな企業で新規事業立案に用いられ、自身もアドバイザーとして関与している。
また、メディアを通じてビジネスの面白さを発信している。
そのほかの著書に『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』(かんき出版)、『ビジネスモデル思考法』(ダイヤモンド社)、『そのビジネスから「儲け」を生み出す9つの質問』(日経BP社)など
川上昌直プロフィールページ

Twitter:@wtp_profit

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