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大学入試大改革で大学間格差拡大か 脱暗記主義の落とし穴、進学校有利鮮明に

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「写真素材 足成」より
 受験シーズンも終わりを告げ、難関大学の合格発表が相次ぐ季節になったが、今後受験を控える子供たちを持つ保護者には気がかりな情報がある。

 昨年暮れ、中央教育審議会が文部科学省に答申した大学入試制度改革だ。改革の骨子は現在実施されている大学入試センター試験を廃止して、新テストを導入するというものだ。詳細は下表(河合塾・大学入試情報より抜粋)の通りだが、スケジュール通りに進行するのならば、現在の小学6年生から新たな方式での受験を強いられることになる。1979年に導入された共通一次試験に始まり、90年に大学入試センター試験と名称こそ変わったものの30年あまり、ほぼ同じスタイルを維持していた選抜方式が全面的に変更されるのだから、最高学府に子供を進ませたいと考える保護者にとっては、どう対応するべきか悩ましいところだろう。

 もっとも、スケジュール通りには進まないとの指摘はある。

「答申案にあるような大がかりな内容の変更、複数回のテストを実施するとなると、その処理は膨大かつ煩雑になる。予算の問題もあるから、段階的に移行するのではないか」(教育関係者)

 確かにその性質上、1点のミスも許されないものだけに、作業には完璧さが求められる。6年後の全面的な導入は難しいのかもしれない。

 ただセンター試験の廃止と新テストのあらましを早くも公表しているのだから、遠からず現行のシステムの変更が行われることは間違いあるまい。良い意味でも悪い意味でも、教育行政は一度決めたことは覆さないものだ。

入試制度改革は進学校有利?

 それでは、この制度改革によってどのように大学受験は変わるのか。

 改革の主眼は現在の暗記中心の試験から、思考力、判断力、表現力を重視する、とある。砂を噛むような暗記の明け暮れに苦しむ受験生にとっては、朗報かもしれない。実際、改革反対論者からも、この点での批判は少ない。だが、かえって試験そのものが難化してしまうと懸念する声はある。

「つまりは応用力が求められるわけです。暗記したものを組み合わせて判断、表現をするのだから、普通に考えて合格点を取るのは難しくなるでしょう」(学習塾講師)

 その結果、現在の進学校が、さらに優位に立つことになりやすいようだ。

「進学校と、そうでない学校の大きな差は、教師の受験指導力です。トップクラスの進学校になると、受験に関係するすべての教科の担当の能力が高い」(同)