統合によりファミマとサークルKサンクスの店舗総数は1万7599店となり、セブン-イレブン・ジャパン(1万7277店、いずれも1月末時点の店舗数)を上回り、業界トップに立つ。全店売上高でファミマ・サークルKサンクス連合はセブンに1兆円近い差をつけられているが、業界2位のローソンを9000億円近く上回る。店舗数でトップ、売り上げで第2位の巨大グループが誕生することになる。
課題はサークルKサンクスの看板をどうするかだ。2010年にファミマがエーエム・ピーエム・ジャパンを吸収した時は、時間をかけてam/pmの看板をファミマに掛け替えた。もう一つの課題は、ユニーGHDの売り上げの8割を占めるスーパー事業をどうするかである。「岐阜に本社があり、中部地区で食品スーパーを展開しているバロー(10月からバローホールディングスに社名を変更)が投資ファンドと組んでユニーGHDのスーパー部門に買収を仕掛ける」(業界筋)という観測もある。食品スーパーとして業績好調で山梨県に初進出し、関東圏への進攻に意欲を見せているバローが「小が大を飲む」M&Aを仕掛ける可能性もある。
●注目集まるローソンの動き
ファミマ連合に売り上げ、店舗数で逆転されることになるローソンは14年12月、広島が地盤の中堅コンビニチェーンのポプラに出資した。ポプラの15年2月期の連結最終損益は20億6500万円の赤字で、14年同期も23億円の赤字であり2期連続の赤字となった。15年2月期は売り上げも13%減っている。
ポプラのメインバンクは広島銀行。三菱商事が60%の株式を握る三菱食品が実質4位の大株主のため、「三菱商事を仲介役にローソンがファミマ連合との売り上げの差を少しでも縮めるためにポプラ買収に動く」(業界筋)との見方も出ている。
業界5位のミニストップはスーパー大手イオン系のコンビニだが苦戦が続く。中堅で神奈川県が地盤のスリーエフは、15年2月期に赤字に転落し正念場が続いており、規模確保のため両社が統合に動くとの観測もある。「ファミマ連合の誕生により、コンビニ業界に玉突き再編が起こる可能性が高い」(アナリスト)。
●他社の草刈り場になったサークルKサンクス
サークルKサンクスが店舗競争力を失ったことから、11年以降、約490店がローソンやセブンに鞍替えした。サークルKサンクスは他社の草刈り場になったが、ファミマだけは手を出さなかった。「ファミマの上田準二社長(当時、現会長)が、サークルKサンクスの本体が欲しいという意向を持ち、サークルKサンクスをいたずらに刺激することを避けてきた」(ファミマ関係者)ためといわれている。