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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏

成果が出ず途中で消える人の特徴と、常に活躍し続ける人の決定的な差とは?

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セミナーで説明する阪本啓一氏
「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数あるジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 組織に属するビジネスパーソンの中には「いつかは独立して個人の力で勝負したい」と思いながら、日々の仕事をこなす人もいるだろう。

 そうした人にとって、なりたい職業のひとつが「コンサルタント」ではないだろうか。専門知識を武器に顧客にアドバイスを行い、実際の行動に移してもらうのが役割だ。組織を離れて独立したコンサルタントも、第一線で活躍し続ける人もいれば、途中で消えてしまう人もいる。その違いはどこにあるのだろうか。

 筆者は取材などで、毎年数十人のコンサルタントに会う。その中で、以前から気になっていた一人の活動を紹介しながら分析してみたい。

16年で35冊の著書を出した独立系コンサルタント

 6月21日、横浜市で開催された「『ブランド・ジーン』出版記念公開セミナー」という講座を取材した。事前にネットで告知と募集がされたが、やがて「定員」に達して受付終了となった。講師はブランディング・コンサルタントとして活躍する阪本啓一氏だ。

 1958年生まれの阪本氏は、大阪大学を卒業して旭化成に勤務後、2000年に独立した。今回のセミナーは、日経BP社から発売された同氏の35冊目の著書の記念として行われた。

 同氏が掲げる「ブランド・ジーン」とは、ブランドに命を吹き込む遺伝子のことだ。「20年以上にわたりアップルの商品を愛用しているが、最近は以前のようにワクワクする商品がなくなった。機能面のゴタクばかり並べる平凡なブランドになり下がっている。むしろグーグルのほうが、昔のアップルらしい」――といった事例を紹介しながら、企業やブランドを動かすもの=ブランド・ジーンが「宿主」を変える例などを説明した。

 参加者は約30名。セミナーのテーマどおり、ほとんどがブランドを研究するビジネスパーソンで、中小企業の経営者もいればビジネス書の著者もいた。名刺交換しながら話を聞いたが、北海道、長野県、滋賀県、兵庫県から出席した人もいた。

 実は、筆者が最初に阪本氏の存在を知ったのは10年近く前になる。日経ビジネス人文庫(日本経済新聞出版社)から著書を上梓することになり、参考図書として購入したのが、同氏の著書『スロー・ビジネス宣言!』(同)だったのだ。

 当時の阪本氏は、19年勤めた旭化成を退社すると同時に渡米。ニューヨークに住んで経営コンサルタントをしていた。退社前の所属は建材営業部だったという。だが同書では、「カップヌードル」(日清食品)や「ポカリスエット」(大塚製薬)など、一般消費者向けのブランドが多く紹介されていた。「建材営業というBtoB(企業対企業)の仕事をしていた人が、どうしてこんなにBtoC(企業対消費者)について詳しいのだろう」と思いながら読んだ記憶がある。

 その後、同氏のブログで別の拙著をご紹介いただいたのが縁で、一度お会いした。