「4つのこだわり」で顧客層を広げる
今回は阪本氏のセミナーに参加後、「コンサルタントとして長続きする秘訣」を聞いてみた。すると「私は4つのこだわりを持って活動しています」との答えが返ってきた。同氏が説明した内容は以下の通りだ。
(1)常に「新曲」を出す
すなわち、新しいテーマを世の中に提案し続けることを意味する。
「私でいえば、『パーミションマーケティング』(翔泳社)から始まり、『スローなビジネスに帰れ』(インプレス)、『リーダーシップの教科書』(日本実業出版社)、『スモールビジネスマネジメント』(翔泳社)、『ゆるみ力』(日本経済新聞出版社)、『共感企業』(同)、『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』(日本実業出版社)、『繁盛したければ、「やらないこと」を決めなさい』(同)、そして『ブランド・ジーン』と、新しい何かを発信し続けてきました」(阪本氏)
上記のうち、『パーミションマーケティング』『スモールビジネスマネジメント』は翻訳書で、それ以外はすべて著書となっている。ただしテーマは変わっても主張する骨子は変わっていない。昔から日本社会にあった良識も取り入れる。
例えば、「そのブランドに惚れてごひいきになるファンがいるように、CSR(企業の社会的責任)を簡単にいえば、ごひいきを頂戴できるビジネス活動をすること」といった言い方で説明する。
(2)誰もやっていないことを実行する
初めて名刺交換した際、同氏が経営するJOYWOWの本社が横浜市だったので、「経営コンサルタントで、出身地でもない横浜市が本社というのは珍しいですね。なぜニューヨークから横浜に来たのですか」と聞いた。その時の答えも「誰もやっていないから」だった。
「誰よりも先に始めることにこだわっており、サラリーマン時代の1995年からメールマガジンを出していますし、個人名を冠した私塾『阪本塾』は00年から開催しています。恐らくビジネスの世界では、さきがけではないでしょうか」(同)
現在は、大阪に拠点を構える。「これも同じ理由です。自宅のあった神奈川県葉山町から大阪市へ自主転勤しました(笑)。『大阪をシリコンバレーに!』というスローガンを掲げて、11年から経営者向け塾『MAIDO-international』も始めています」(同)
(3)メディアリテラシーを高める
同世代のコンサルタントに比べて、ITに強いのも同氏の持ち味だ。
「20年前からメルマガを始めたのもそうですが、ブログ、Twitter、Facebookなど、常に先取りして取り組んできました」(同)