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「脂肪の吸収を抑える」にダマされるな!“危険すぎる”機能性表示食品で問題噴出

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消費者庁のHPより
 6月から機能性表示食品が市場に出回り始めている。大手食品メーカーが参入しているため、「脂肪の吸収を抑える」「糖分の吸収を抑える」などと謳う大々的な宣伝が、否応なく私たちの目に飛び込んでくる。


 機能性表示食品は、米国のダイエタリーサプリメントを参考につくられたが、その出発点は2013年6月に安倍晋三首相が行った「成長戦略第3弾スピーチ」に盛り込まれた、健康食品の機能性表示解禁宣言であった。消費者ではなく、健康食品など食品メーカーの強い要望を受けて盛り込まれたものである。規制改革会議の決定に基づき消費者庁が導入の検討を進め、今年4月からの導入となった。

 大きな特徴は、消費者庁の許認可はなく、企業の責任で表示を認めるという仕組みで、米国のダイエタリーサプリメントと同じである。企業は販売60日前までに安全性や有効性等の根拠情報を含めた製品情報を同庁に届けるだけで、販売することができる。また、企業自ら臨床試験をする必要はなく、機能性の成分に関する研究文献を提出するだけでもよいという安易なものである。安全性や機能性を検証するための膨大な研究開発予算を割かなくても表示ができるため、多くの企業が殺到している。

事後的に問題発生の恐れ


 しかし早速、さまざまな問題点が噴出している。まず、当初から懸念されていた安全性の問題であり、その一つが安全性評価ができないとされた「エノキ抽出物」を含有している食品の問題であった。

 例えば、ある商品は機能性表示食品の届け出がなされているが、その商品の成分であるエノキ抽出物を含む類似商品を、同一メーカーが特定保健用食品(トクホ)に申請。安全審査を食品安全委員会が行い、エノキ抽出物について「安全性を評価できない」と結論付け、トクホとして認めないとの答申を出した。消費者庁は、同委員会と消費者委員会の決定を受けて安全性の検討を始めているが、届け出れば60日後に販売できる現行制度下では、行政指導でメーカーに届け出撤回を要請するしか手はない。

 この機能性表示食品は、制度が始まる前の今年2月段階で食品安全委員会新開発食品専門調査会において、以下の結論が出されていた。

「動悸、頻脈、不整脈、血圧上昇等の循環器系への影響等多岐にわたる作用が生じる可能性がある」
「呼吸器系や生殖系(子宮)への影響が懸念される」
「提出された資料からは本食品の安全性が確認できない。そのため、作用機序及び安全性について科学的に適切な根拠が示されない限りにおいては、本食品の安全性を評価することはできない」

 本来であれば、消費者庁として同一成分が含まれている商品の届け出受付を拒否すべきであった。企業から見れば、「安全性に問題があっても届け出は可能」というメッセージを出していると受け取られかねない対応である。
 
 機能性表示食品制度は、「機能性関与成分を中心とする食品そのものの安全性については、企業等が自ら食経験に関する情報の評価や、必要に応じて安全性試験に関する情報の評価を行うことが適当」として、安全性評価を企業に任せている。