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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

だからあなたのプレゼンはつまらない!コンペで負け続ける根本的理由

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「Thinkstock」より
 ありがたいことに、筆者のような者でも企業研修の場で講師をさせていただく機会が、ごくまれにあります。学生と異なり、企業の方相手となると、それはもう気を遣うわけで、怠惰な日常において貴重なみそぎの場として有効に活用しています。

 例えば、毎年開催される異業種研修会では、いわゆる一流企業に勤務する20代後半の若手実務家を主たる対象に5月から月1回のペースで会計や経営戦略やマーケティングなどの講義が行われており、筆者はマーケティング・経営戦略に関わる講義を担当しています。参加している実務家の皆さんは、お世辞抜きに優秀です。

 とりわけ、学生と比較してレベルが違うと感じるのは、こちらの質問に対して答えるまでのスピードです。その他、話し方、根拠づけなども素晴らしく、大学を卒業し、わずか2~3年でこれだけの差が出るということは「会社のすごさ」、裏返せば「大学の悲しさ」を痛切に感じてしまいます。しかしながら、大学では金を払うお客さん、会社では金をもらう労働者ですから、意識変化に伴い、こういう結果になるのは当然といえば当然かもしれません。

『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)
 最終となる11月の回では、3カ月かけたグループワークの成果発表および評価が行われます。審査員は参加者の職場の上司が中心で、本気度が増す工夫が行われており、筆者も審査員の一人として参加しています。グループワークの内容は各グループにおいて、どこか特定の企業を取り上げて、経営戦略やマーケティング戦略といったビジネスプランを提案するというものです。

 皆さん、どういうビジネスプランなら、こうしたコンペに勝つことができると思いますか?

凡人は筆を選べ!

「弘法、筆を選ばず」といいます。また、日本人のメンタリティはどんな対象や手法でも、努力によって良い成果が出せると考えがちです。確かに、こうした発想は美しいとは思いますが、勝つことへの戦略性という視点を大きく欠いています。人間の能力にそれほど大きな差はないでしょうし、投入できる時間も同程度でしょう。よって、まずおいしいネタを全力で探してほしいと思います。例えば、今は絶好調であっても、今後、強敵や代替品の登場など、深刻な脅威が訪れそうな企業を見つけ出すのです。

 うまくできたもので、好調ではあるが深刻な脅威や弱み、逆に絶不調ながら潜在的な強みを持つような企業はなかなか見つからないとは思いますが、だからこそ、この点に注力すべきです。世の中にはさまざまな仕事がありますが、我々研究者と異なり、おそらく多くの人は自らが取り組むテーマを決定することはできず、目の前にある業務をいかにうまく行うかに忙殺されていることでしょう。けれども、一歩引いて自分の仕事自体を客観的に見つめ、それ自体を変化させることは大切であり、こうした取り組みは今後の自らの本業に生かされるはずです。