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江上隆夫「ブランド戦略ディレクターのぷらっと未来散歩」

アマゾン、人間の概念そのものを変形?買い物の「自由化」、予測出荷…

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Amazon.com」より
不思議なことに50年、100年スパンで見ると未来への大きな流れは変わりません。しかし、その流れの過程では、小さく渦巻いたり、突然支流が生じたり、停滞したり、一筋縄ではいきません。広告やブランドという常に半歩先、一歩先を見る仕事を長年続け、コンセプト関連の著作もあるブランド戦略ディレクターの江上隆夫氏が、自身のアンテナに引っかかってくる未来の種を「短期、長期の本質的な視点」を織り交ぜながら解説します。

 私は、かなり頻繁にアマゾンを利用します。ほぼ毎日アクセスして、週平均で2回程度は購入しています。といっても、購入する物の8~9割は仕事で使う資料用の本です。あとはPCやプリンター関係の備品やインクなど。この原稿を書いている8月は、3週あまり過ぎた時点で本11冊、物品2品を購入しています。日本においては一般的なアマゾン利用者といってよいでしょう。

 日本のアマゾンでは何が買えるか、つまりどのようなものまで買えるか、ご存じでしょうか。衣料品や家電、飲料などはよく知られていますが、野菜などの生鮮食品も購入でき、寿司やカレー、ピザの出前まで申し込めることをご存じない方も多いのではないでしょうか。

 ちなみに、生鮮野菜はスーパーに並ぶほとんどのものが揃っています。野菜のページをのぞくと、「野菜セット」以外に39種類の品が並んでいます。まとめ買い商品が多いのが難点ですが、1品から買えるものも多々あります。

 アマゾンは本拠地のアメリカで、2007年から「AmazonFresh」という生鮮食品の販売サービスを行っています。夜10時までにオーダーすれば翌朝6時に、朝10時までにオーダーすれば当日夕方6時には自宅で品物を受け取ることができます。まだ実験事業の意味合いが濃いのか、ロサンゼルスやサンフランシスコなどの西海岸のみで展開しています。

 さらに、「Amazon Prime Air」というドローンで商品を配達する計画は話題になりました。早ければ今年中にも開始される予定です。アマゾンは、私たちが日常で必要とするほとんどものをインターネット経由で提供しようとしています。アマゾンが未来のウォルマートとなるかどうかは不明ですが、未来のショッピング体験の一部は、確実にアマゾンの考えているサービスの中にあるといってもいいでしょう。それは、欲しいものがすぐさま目の前に出現するといった、アラジンの魔法のランプのような世界です。

「いつでも、どこでも、ショッピング」の始まり

『無印良品の「あれ」は決して安くないのに なぜ飛ぶように売れるのか?』(江上隆夫/SBクリエイティブ)
 私たちのショッピング体験の6~7割は、食品・生鮮食品と石鹸や洗剤、歯ブラシや電球、スポンジなどの雑多な日用品の購買で占められています。いわば日常を維持していくための習慣的な買い物で埋め尽くされているといってよいでしょう。総務省の調査によると、日本の2014年度のエンゲル係数(家計に占める食費の割合)は24.3%で、これに日用品の3%前後を加えた27%強が、食品・日用品系の購買になるわけです。