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ミュゼプラチナム、資金繰り悪化で私的整理 多額簿外負債が発覚、前受金を売上計上

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ジンコーポレーションが所在する東京・恵比寿プライムスクエア(「Wikipedia」より/Eurotuber)
 脱毛サロン最大手「ミュゼプラチナム」を運営する株式会社ジンコーポレーション(以下、ジン)が現在、私的整理に向けた手続き入っていることがわかった。ジンは今年5月頃より、電通などの大手広告代理店への支払いが滞り始め、現在は銀行への返済も止まっている。メインバンクの常陽銀行をはじめとした銀行団は、同社が顧客から預かった前受金を全額売上計上し、未消化分が簿外負債となっていることを問題視。今年7月中旬より、外資系会計事務所のPwCがジン社内に常駐し、9月末まで前受金の実態把握と再建計画立案のためのデューデリジェンスを行う。

 関係者によると、7月末にPwC側から社長に経過報告があり、その時点で把握している簿外負債の金額は「5百数十億」だという。前受金を計上した場合は債務超過に転落すると見られる。ミュゼ側としては、前受金を計上することには抵抗感が強く、経費削減や高速脱毛器の導入などで前受金消化のスピードを速めることで再建していきたい構えだ。

 ミュゼをめぐっては、インターネットの口コミなどで「予約が取れない」といった顧客の不満が書き込まれていたが、経営不安が囁かれるようになったのは今年に入ってからだ。ニュースサイト「東京アウトローズ」、会員制国際情報サイト「Foresight」(新潮社)、総合情報誌「FACTA」(ファクタ出版)がこれまで報じている。

巨額の広告費も


 前受金に関する問題の会計処理だが、銀行側もこれまで追認していた可能性が高い。特に常陽銀行は関係が深く、ジンの役員には同行出身者が就任し、過去4度のシンジケート・ローンの幹事も同行が務めている。今回、同行が前受金を問題視したのは、資金繰り悪化に加えて上述のような報道が相次いだためと思われる。

 ジンは本来負債計上すべき前受金を売上計上することで、毎月10億円ともいわれる額を使い広告をうち、ゴルフやサッカーのスポンサーとなり、高橋仁社長個人も数億円もの役員報酬を得て競走馬を10頭近く所有するなど、気前のいい経営をしてきた。しかし、前受金が簿外となっている以上、その保全措置はおざなりになる。つまりは、250万人の会員が被害にあう可能性があるわけだ。

 なお、筆者は今年4月にジンに対して取材を申し込み、高橋社長に対しても電話にて回答を求めたが、ジンは取材を拒否している。
(文=村上力/フリーライター)