NEW
神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

賃金4割ピンハネ!派遣業界のトンデモ実態 残業代&交通費なし、女性容姿ランキング…

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
雇用形態別・非正規雇用労働者の推移(「厚生労働省 HP」より)
 安倍晋三首相が唐突に、名目GDPを2020年に600兆円にする――などいう荒唐無稽な目標を打ち出したことには失笑を禁じ得ませんでした。ちなみに14年度の名目GDPは490兆円です。低賃金の不安定雇用を増やし、個人消費の低迷を招くだけの労働者派遣法の改悪を大慌てで成立させたタイミングでどの口が言うのかと、その主張の非整合性には首を傾げるばかりだからです。


 アベノミクスと称する経済政策も、日本銀行の大規模異次元緩和で出口の見えない危険な財政ファイナンス状態に陥れただけで、円安効果による虚構の株高も失速、輸出も伸びず、消費税率アップと食料品価格高騰で可処分所得は減少し、デフレ脱却も遠のくばかりと、目先の景気浮揚すらはかばかしくはありません。浅はかで「“安倍”コベ」の政策が多すぎるからでしょう。

 さて、そもそも「労働者派遣事業」なるものは、戦前のタコ部屋奴隷労働横行時代の反省から、戦後は職業安定法で厳しく禁じられてきたものであり、労働基準法6条にも中間搾取の禁止規定があります。それを産業界からの要請で1986年以降、労働者派遣法の施行により合法化したものでした。産業界が、いつでもクビにできる・安くて便利な労働者を求めたからにほかなりません。

 当初は「テンポラリー(一時的・臨時的)の働き方」と「専門的業務にのみ限定した働き方(正社員から派遣社員への代替防止)」という制度上の役割と機能も、法律上一応は位置づけられていたものの、もともと違法時代から横行していたモグリ事業者がなんでもアリの派遣事業を行っていましたから、こうした法令順守などは合法化のスタート段階からどこ吹く風の有様でした。一般事務なのに、専門26業務の「事務用機器操作」「秘書」「ファイリング業務」と称して違法派遣が横行していたのはご承知の通りなのです。はじめからザル法だったともいえます。

 派遣のメリットは、労働者側にとっては「好きな時間に、好きな仕事だけを選べる働き方」などと強調される場合もありますが、しょせんは派遣先企業と派遣元企業にとってのメリットだけが大きいものです。厚労省の実態調査でも、正社員になりたくてもなれない不本意・派遣労働者比率は44.9%にも上ります。 
 
 すなわち派遣先企業にとっての派遣労働者は、いつでもクビにできる雇用の調整弁であり、社会保険料負担なし、福利厚生費負担なし、昇給なし、ベースアップなし、ボーナスなし、退職金なし、交通費負担なしと良いことづくめなのです。