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神樹兵輔「『縮小ニッポン国』のサバイバル突破思考!」

賃金4割ピンハネ!派遣業界のトンデモ実態 残業代&交通費なし、女性容姿ランキング…

文=神樹兵輔/マネーコンサルタント
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 以上が代表的なものですが、「あれ、これは今でもうちではやっているぞ」といずれかの違法事例に該当して、今さらのように驚かれる派遣労働者の方も、きっと少なくないことでしょう。

 つまり、これほどいい加減で法令違反常態化の業界なのです。もとより、人を人とも思わぬ「モノ扱い」(厚労省課長発言で問題化)での生き血を吸う業態ですから、モラルもへったくれもないのかもしれません。

 こういう状況ですから、労働者派遣法という法律も、無法な業界の実態に合わせるべく規制を緩和してあげなければいけないという本末転倒の行為を、与党政治家と厚労省がタッグを組んで担ってきたというのが、これまでの労働者派遣法改悪の歴史だったのです。

 もちろん、表向きは、派遣労働者の保護を重視する法律のように見せかけているのですが、改定の内容はことごとく派遣先企業や派遣元企業の保護を優先した、商売がやりやすくなる法律としての変更を重ねてきただけだったのが実態なのです。こういうことを政権に気遣ってマスメディアはなかなか報じないので、若いうちから騙されて、低賃金の派遣労働に一生涯を従事させられてしまうのです。

 例えば、86年の同法施行後の改訂では以下の内容が盛り込まれました。

・99年に派遣可能業務の規制の自由化
・03年に製造業派遣を解禁、一定期間経過労働者の直接雇用義務
・12年に日雇い派遣規制、派遣労働者と派遣先労働者の処遇の均衡、マージン率開示の義務化、労働契約申し込みみなし制

 このうち、最後に記した12年の「労働契約申し込みみなし制」というのが、今回の労働者派遣法を大慌てで改めなくてはならない一番の理由でした。

 では次回は、この労働契約申し込みみなし制の削除を含めた、今回の労働者派遣法改正の問題点について解説します。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

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