高知空港の愛称は「高知龍馬空港」。2003年、日本で初めて人名を愛称にした空港名を付けて話題となった。その後の空港愛称化のハシリである。空港を降り、出口に向かう通路に「リョーマの休日」という大きなポスターが貼られ、観光客を出迎えてくれる。出発ロビーには等身大の龍馬像があり、搭乗客らが記念撮影をしている。空港に着いた時から帰りまで、龍馬の世界にどっぷり浸かることができる。
生誕180年にちなんだイベントも目白押しだ。名勝桂浜では「龍馬に大接近」ということで龍馬像の隣に特設展望台(入場料100円)が設置され、龍馬と同じ目線で太平洋を眺めることができる。
10月31日には「LOVE&PEACE 高知龍馬フェス2015」というコンサートが開催され、岡本真夜、庄野真代、堀江淳など、団塊の世代にとって懐かしいアーティストが出演する。生誕日に合わせた11月14、15日は「第27回全国龍馬ファンの集い 高知大会」や「第37回龍馬誕生祭」「第42回龍馬まつり」など、高知市内は龍馬一色となる。
そして来年2月14日には「高知龍馬マラソン2016」が行われる。この大会は東京マラソンに参加できなかったランナーの応募が多いといわれている。
南国土佐の魅力は人情、グルメ、清流と多彩
高知のイメージは、龍馬、よさこい、黒潮、カツオ、酒といったところではないだろうか。だが、意外な事実がある。森林率84%という日本一の森林県なのである。高知龍馬空港に到着する前に機内の窓から見てもわかるが、海沿いの平地以外はどこまでも山、山また山である。その豊かな森が四万十川、仁淀川といった日本を代表する清流を生み、長い日照時間と温暖な気候が四季折々の多彩な食材を育む。黒潮が流れる太平洋の海の幸も豊富だ。
「高知に来た人が驚くのは、米がうまいことです。寒暖差が大きく、きれいな水に恵まれた四万十川沿いの山間部では仁井田米をはじめ、おいしい米づくりが行われています。栗、新高梨、文旦、ゆず、ミョウガ、アユ、ツガニ、鰻など山の幸、里の幸、川の幸も豊富です。海の幸といえばカツオが有名ですが、それ以外にも清水さば、メジカ、ウルメ、のれそれ、金目鯛、鯨と多彩ですよ」(地元の観光関係者)