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森友問題、籠池夫妻の巨額補助金詐取の“巨悪”解明へ…検察、“共犯者”と司法取引か

写真・文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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 久々の「籠池劇場」。森友学園関連の補助金詐取などで起訴された籠池泰典(66)、妻・諄子(62)両被告の初公判が3月6日午後、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。50席ほどの傍聴券を求めて600人以上が殺到した。

 しかし、森友学園問題を追及している作家の菅野完氏は「こんな裁判、必死に傍聴に来るほうがおかしい。本質的な問題と全然関係ないのですから」と冷ややかに長い列を眺めていた。確かに、この裁判は安倍首相夫人が名誉校長に就任する森友学園の小学校建設での国有地売却で、ごみ処理を理由に8億円も値引きされた事案や、財務省幹部らが文書改ざんをした中心案件とは別物である。不自然な値引きや改ざんを示唆した佐川宣寿元理財局長ら財務省幹部らを不起訴にした件を検察審査会がどう判断するかが重要だが、籠池夫妻の詐欺罪も額は半端ではない。

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大笑いで入廷の妻

 午後1時半過ぎ、裁判所北門に徒歩で現れたのが「相思相愛」(釈放時の泰典氏談)の夫婦。夫は神妙な顔で歩いてきたが、あとに続いた諄子氏は知り合いの女性に声をかけられると何が嬉しいのか大笑いしながら庁舎に入っていった。両側の2人の男性弁護士の腕につかまって歩いている。「勾留生活で足が弱ったということですが、少し強調したい意図もあるのかもしれません」と地元記者。夫婦は2017年7月に逮捕され、昨年5月に保釈されていた。勾留の影響とも思えないが。

 罪状認否で、泰典氏は用意していた陳述書を朗読。「要支援児がいる」と偽って大阪市と大阪府から補助金を詐取したとされた件については「一部は違法」と認めた。諄子氏は「だましてはいない。無罪です」と陳述し、小学校建設についての国の補助金詐取については夫婦とも否認した。

 しかし、泰典氏は「国有地問題からの目くらましのための国策捜査。国策による不当な違法勾留」「(捜査は)権力者への忖度はないのか」などと延々と検察批判の演説をしだしたため、検察官が「公訴事実に関する意見を端的に述べるべき」と止めようとしたが、裁判官が続行させた。

 起訴状によれば、森友学園を運営していた夫婦は、豊中市内の小学校建設で工事金額を水増しして国の補助金約5600万円を詐取した。さらに「支援の必要な障害園児を受け入れている」と偽り、勤務実態のない専門の教員名を申告したりして大阪府や大阪市から補助金1億2000万円を受け取った。主犯は学園理事長だった泰典氏だが、会計を担当していた諄子氏も共犯とした。

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