5月24日、市民団体が文京区民センターで開催したシンポジウムにおいて、保釈後1周年にあたり元森友学園理事長の籠池泰典氏は記者会見を行った。そのなかで、小学校建設用地として国有地が格安価格で学園に払い下げられたことについて、「値引きの根拠のゴミはなかった」と発言した。保釈後、財務省が公表した資料などを見て、ゴミはなかったことを確信したという。籠池氏は、財務省近畿財務局の担当者たちが安倍政権に忖度してゴミを根拠として値引きしたとの見解を示した。
筆者は5月22日付本サイト記事で、国が払い下げの根拠とした唯一の写真資料(「21枚写真資料」の写真No.1)に偽装があったことを指摘し、埋設ゴミがなかったことを示した。今回の籠池氏の発言に対し、「籠池氏はゴミがないことを把握した上で格安値引きを受けたのか」「それでは詐欺師だ」という声がインターネット上では上がっている。
確かに、もしゴミがないことを知っていて格安値引きを受けたのならば、それ自体問題となる。その点を含め本稿では、籠池氏に取材した内容と、そこから見えてきた事件の全容、今後の課題を報告したい。
※Qは筆者、「」内は籠池氏の発言
Q:値引きの根拠であるゴミはなかったという発言でしたが、その根拠は?
「あの当時の私に起きたことと客観的状況からいって、お話ししました」
Q:客観的状況、証拠や事実とは?
「国会議員の皆さんが追及されてきたことや、その資料を見て、ゴミがなかったことを確信しました」
Q:つまり、保釈(2018年5月)以降にわかったということですね、校舎建設に入った森友学園の側から、16年3月11日に近畿財務局に『地下から埋設ゴミが出た』という電話があったことが、きっかけになったと報道されています。籠池さん自身は、埋設ゴミについては確認していなかったのですか? 杭打ち工事をしていた藤原工業からの連絡は、どのように受けましたか?
「理事長だった自分に報告されたのは、毎週持たれる定例の事務所会議(籠池、キアラ設計(※1)、藤原工業他)で、杭打ちに際してゴミが見つかり、5日間工事を止めているということでした。作業員を留め置きしているという事でした。それを聞いて私から近畿財務局に報告をしました」