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日本企業は、米中貿易戦争の影響を楽観視しすぎている…村田製作所の株価下落は危険なサイン

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村田製作所本社(「Wikipedia」より/J o)

 5月に入り村田製作所の株価が大きく下がっている。株価下落の背景には、米国と中国の摩擦が一段と激化していることがある。同社の売上の90%超が海外向けだ。特に、売上に占める中華圏の割合は50%程度と高い。同社の株価は海外経済の動向に敏感だ。すでに国内株式市場の売買の70%を外国人投資家が占めている。技術以外の要素が同社の経営に大きく影響することは冷静に考えなければならない。

 すでに同社は業績予想を下方修正した。2019年度の会社計画では減益が予想されている。ただ、計画の前提条件を見ると、実績が計画を下回る可能性は否定できない。一方、国内の株式市場参加者の多くが、会社計画は慎重すぎると考えている。その理由は、同社の技術力が高く、競争力があると考えられているからだ。貿易戦争が熾烈化しても同社の競争優位性は揺るがないとの楽観が多い。

 技術力は企業の成長にとって重要だ。しかし、それだけが企業の成長を支えるのではない。米中の摩擦は一段と激化する可能性がある。その場合、村田製作所の重要顧客である中国や米国企業の業績は想定以上に悪化する恐れがある。そうなると、競争力があったとしても需要の落ち込みに対応することは難しいだろう。

米中貿易戦争は村田製作所の経営圧迫要因

 
 米中の貿易戦争には、企業の自助努力では対応が難しい部分がある。特に、村田製作所は部品を手掛けている。同社の海外売上比率も高い。自助努力でコストの削減などを徹底したとしても、世界的なサプライチェーンの混乱や取引先企業の経営の変化に対応することは、口で言うほど容易なことではない。

 米中摩擦が村田製作所の経営に与える影響を考える際、貿易戦争は2つに分けて考えるとわかりやすい。一つ目は、米トランプ政権による対中貿易赤字の削減だ。トランプ大統領は米国の農業や鉄鋼業などの復興を目指し、中国との貿易赤字を削減したい。中国は米国からの制裁関税の引き上げに直面しつつも、米国産の大豆を購入するなどして相応の配慮を示してきた。この問題自体は、村田製作所に直接大きな影響を与えないだろう。

 もう一つ、米中貿易戦争には覇権国争いという側面がある。これは村田製作所にとって無視できないリスク要因だ。米国は、世界の政治、経済、安全保障の基軸国家としての役割を維持したい。中国は自国の規格に基づいた5GやIoT(モノのインターネット)の技術を確立し、国内だけでなくアジア太平洋地域などに浸透させたい。それは、中国が各国政府、企業などのデータを入手し覇権を強化することにつながる。

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