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カネカ・パタハラ告発、頑なに言い訳連発で株式時価総額624億円が“消失”していた

文=編集部
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カネカ・パタハラ告発、頑なに言い訳連発で株式時価総額624億円が“消失”していたの画像1「カネカ HP」より

 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及に伴って、消費者が企業のサービスや不祥事対応への不満を投稿したり、従業員が業務中に悪ふざけをした動画をアップする“バイトテロ”が増えている。また、こうした投稿を見た人が自分のSNSでリツイートすることで話題が拡散し、企業への批判が一気に高まる「炎上」も日常茶飯事となった。

 大手化学メーカー、カネカ(旧・鐘淵化学工業)の“非情な人事”がSNS上で告発され、話題になった。さらに、カネカ側のSNSへの対応のお粗末さが火に油を注ぐかたちとなり、カネカは大炎上してしまった。

 事の発端は4月、ツイッター上に書き込まれた「夫が育児休業明け2日で関西への転勤を命じられた」とのつぶやきだった。「パタニティーハラスメント(男性が育児休業制度などを利用する際の上司や同僚からのいやがらせ)」(パタハラ)を訴えたのだ。

 女性は企業名を明かしていなかったが、「#カガクでネガイをカナエル会社」とのハッシュタグを付けていたため、すぐにカネカだと特定された。

 投稿したのは、首都圏に住むカネカの元社員の妻。メディアの取材に応じた夫婦は、次のように語っている。

<2人目の子どもが生まれたのをきっかけに、夫は3月末から4週間の育児休暇を取った。育休から復帰して2日目の4月23日、5月16日付で関西に異動するよう命じられた。「家族に相談させてほしい」と上司に頼んだが、「無理だ、もう決まったことだ」と言われた。

 夫は労働局に相談したほか、社内の人事担当部署や労働組合も交えて、「異動に異論はないが、1~2カ月の猶予期間がほしい」などと時期の変更を求めたが、会社は応じず、夫は5月7日に退職願を提出。その後、上司に引き継ぎ期間や有給休暇の消化を含めて6月中旬ごろに退職したいと伝えたが、認められず、5月31日に退職した>(6月6日付朝日新聞)

 妻は6月1日、「2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引っ越して10日後のこと。いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。産後4カ月で家族4人を支えます」とツイートした。

 これは4万件以上リツイートされ、「卑劣な嫌がらせだ」と会社への批難が相次ぎ、「炎上」する騒ぎに発展した。

 これを受けてカネカは6月6日、「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」という文章を公表した。

「元社員のご家族は、転勤の内示が育児休業休職(以下、育休とします)取得に対する見せしめである、とされていますが、転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません」

「育児や介護などの家庭の事情を抱えているということでは社員の多くがあてはまりますので、育休をとった社員だけを特別扱いすることはできません。したがって、結果的に転勤の内示が育休明けになることもあり、このこと自体が問題であるとは認識しておりません」

BusinessJournal編集部

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