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ユニクロ、韓国で売上激減&閉店ラッシュ…安倍政権の“反・韓”政策で危機的ダメージ

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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ユニクロの店舗(撮影=編集部)

 日韓関係の悪化で、韓国のユニクロが危機にさらされている。韓国・ソウルの中心部にある月渓店が、9月15日に閉店する。日本政府による輸出規制を受け、韓国では日本製品の不買運動が拡大しており、一部では不買運動による売り上げ減が原因で閉鎖に追い込まれたとの見方が出ている。ユニクロを展開するファーストリテイリングは、不買運動とは関係ないと強調するが、予断を許さない状況が続いている。

 ファストリは2005年に韓国にユニクロを初出店。今年7月末時点で187店を展開している。2018年 8月期の韓国ユニクロの売上高は約1400億円に上る。韓国での業績は好調で、店舗数は増加傾向にあり、今後も成長が期待できる市場だ。

 だが、ここにきて店舗の閉鎖が相次いでいる。月渓店のほかにも、ソウル南西部にある百貨店「AKプラザ九老本店」に入居する九老店がAKの閉店により8月31日に退店し、ソウル中心部にある鍾路3街店が10月に閉鎖する。鍾路3街店は賃貸契約満了が理由とされているが、不買運動で売り上げが急減したことから閉店に追い込まれたとの見方もある。

 韓国の不買運動をめぐっては、ファストリの岡崎健・最高財務責任者(CFO)が7月11日の19年 3~5月期決算発表の会見で「不買運動は長くは続かないと思う」と発言。これに対して韓国では、 SNS(交流サイト)などで「韓国の消費者を軽視するものだ」との批判が広がった。ファストリは後日、謝罪に追い込まれている。

 この発言に対する批判が大きく影響したとみられるが、韓国の主要クレジットカード会社8社の7月(6月最終週~7月第4週)のユニクロ売上高は70%減少したと中央日報が報じている。さらに、韓国ユニクロは全従業員を対象に有給休暇を検討しているという。深刻な売り上げ減を受け、従業員を救済するために実施するとの見方がある。

 日韓関係が改善する兆しは見られない。日本政府が輸出管理で優遇対象となる「ホワイト国」から韓国を除外したことに対抗するかたちで韓国政府は8 月23日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本政府に通告した。日韓友好を望む米国政府がGSOMIAの継続を韓国政府に働きかけていたこともあり、破棄はないだろうとの楽観論もあったが、それが見事打ち砕かれた格好だ。日韓友好が遠のき、韓国ユニクロの前途も暗いままとなっている。

 韓国政府は、政権の支持率を上げるために国民の反日感情を煽ることが常套手段となっている。歴史教科書問題や慰安婦問題、独島(日本名:竹島)問題などで問題提起を繰り返し、反日感情を煽ってきた。それと共に、国内では日本製品の不買運動が幾度も行われている。

 今起きている問題は、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟で対応策を示さない韓国政府に対し、日本政府が事実上の対抗措置として実施した韓国への半導体材料の輸出規制で、韓国の反日感情が高まったことが大きなきっかけとなっている。韓国政府は輸出規制に反発し、不買運動も勃発した。韓国政府が態度を軟化させる気配は見えず、不買運動は長引く可能性がある。

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