日産、中堅社員の一斉流出が始まった…赤字6千億円超、内田社長では再建は絶望的の画像1
日産 HP」より

 会社としては過去最大規模に迫る巨額の最終赤字を計上した日産自動車が、経営再建プランを発表した。その内容は、稼働率が低迷しているスペイン工場とインドネシア工場を閉鎖するなど、余剰となっている生産能力の削減や、車種を2割削減するなど「選択と集中」を加速することで収益力アップを図ることが柱だ。ただ、リストラの詰めに甘さがあるのは明らかで、先の成長に向けた仕込みも示されないまま。昨年12月にトップに就いた内田誠社長の経営手腕の実力不足が、早くも露呈したかっこうだ。

 日産の2020年3月期連結業績の最終損益は前年同期の3191億円の黒字から一転、6712億円の赤字となった。通期の最終赤字は11年ぶりで、村山工場閉鎖などのリストラ費用を計上した2000年3月期の6843億円の赤字に次ぐ規模となった。欧米市場での新車販売不振に加え、経営再建のためのリストラ費用として約6000億円を計上したためだ。

 日産が業績不振に陥っているのは、元会長のカルロス・ゴーン氏による無理な拡大戦略のツケがまわっているためだ。日産は2011年度からの中期経営計画「日産パワー88」で、グローバルシェア8%を掲げて拡大戦略を打ち出した。販売台数を増やすため、インドネシアやブラジルなどの新興市場攻略を打ち出し、工場を相次いで新設した。新興市場向け低価格車ブランド「ダットサン」も立ち上げた。

 しかし、戦線を急拡大した反動で、先進国市場向けの新型車開発が手薄となり、モデルチェンジまでの期間が長期化、販売しているモデルの平均車齢が5年を超えていた。販売店では古いモデルを販売するため、値引き販売や、レンタカー会社など向けのフリート(大口)販売に依存し、収益が悪化した。

 しかも新興市場でも販売は低迷している。グローバルの生産能力は720万台あるが、2019年度の生産実績は460万台と、260万台分もの余剰能力を抱えている。固定費負担が重く、業績悪化は当然といえる。今回発表した事業構造改革計画は、こうしたゴーン時代の「負の遺産」の一掃を狙ったものだ。

 計画ではインドネシア工場とスペイン・バルセロナ工場の閉鎖や、北米にある生産工場の生産体制を再編し、2023年度までに生産能力を540万台にまで削減する。これによって工場の稼働率を80%以上に引き上げる。商品ラインナップも見直す。地域限定モデルを削減するなど、2023年度までに車種数を69モデルから55車種以下に減らす。一般管理費も15%削減し、年間の固定費を2018年度と比べて3000億円削減する計画だ。

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