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外出自粛明けの結婚式場、大変革期に突入か…“コロナ離婚増加”報道と真逆の実態も判明

文=鈴木領一/コンサルタント
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「Getty Images」より

「外出自粛で、コロナ離婚が増加!」そんなニュースを見かけたことはないだろうか。外出自粛が長引き、夫婦の価値観の違いが浮き彫りとなり、離婚危機に陥るケースが増えている、と報道されていた。しかし、現実は正反対のようだ。

 日本最大級の結婚式・結婚式場のクチコミサイト「ウエディングパーク」を運営する株式会社ウエディングパークの調査によれば、外出自粛で、逆に、約3人に1人が「パートナーとの関係が良くなった」と回答しているのだ。

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「結婚あした研究所」より

 新型コロナによる外出自粛は、実はパートナーとの関係をより良くすることに貢献していた、という驚きの事実だ。しかし、結婚式を間近にして、多くのカップルが結婚式を延期せざるを得なかったことも、紛れもない事実だ。

 ウエディングパークの調査によれば、2020年5月時点で結婚式検討中の女性のうち、約90%が9月以降で結婚式の実施を考えているという。

 6月に入り外出自粛が解除され、さらに全国的な移動制限も解除されたが、依然としてソーシャルディスタンスなどの感染防止対策を行うよう要請されている。自粛明けの結婚式のあり方を考え直したカップルも増えているという。ウエディングパークのブランドマネージャー菊地亜希氏は、こう語る。

「4月7日に緊急事態宣言が発令された7都道府県在住で結婚式検討中の25~35歳女性にアンケートを実施したところ、年内での結婚式を検討されている方の招待予定人数は、2021年以降に実施検討中の方と比べ『20名以下の少人数』の割合が1.7倍という結果が出ました。

 ここ数年、結婚式の招待人数は少人数化傾向が緩やかに進んでいましたが、2020年内は少人数化の傾向が強くみられる、と判断してよいかと考えております」(菊地氏)

 公益社団法人日本ブライダル文化振興協会(BIA)は、営業再開に向けた「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を、5月14日に策定した。

 ガイドラインには50項目を超える感染防止対策が提案されており、それを受けて結婚式場側も、様々な対策で新型コロナの影響を最小限に抑えようと工夫している。

 式場探しや結婚式の形式もオンラインのサービスが急速に進んでいる。

 全国で32の結婚式場を運営する株式会社ノバレーゼは、テレビ会議システム「Zoom」を利用した「オンライン式場見学」を実施している。式場にいるプランナーがiPadを持ちながら見学ルートを歩き、結婚式当日に新郎新婦が入場する大階段を下りたり、オープンキッチンのパフォーマンスをリアルタイムに動画で案内し、結婚予定のカップルが自宅にいながら確認することができるのだ。

リモート結婚式を行う式場も

 また、原宿東郷記念館では、YouTubeのライブ配信やZoomを使ったリモート結婚式「Togo Live Wedding ~祝言~」をスタートさせ、注目されている。

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「結婚あした研究所」より

 一方、オンラインやリモートの対応に追いつかない式場もあるようだ。新型コロナの影響は、最低でもあと1年は続くだろう、といわれている。早急に「新しい生活様式」に合わせた結婚式のあり方を確立させる必要がある。

 ウエディングパークの菊地氏は、次のように語る。

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「デジタル化を模索されている式場様に対し、弊社に何ができるだろうかと考え、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援強化を目的とした、業界初の専門組織『DX推進室』を5月29日に設立いたしました。

 また、業界全体で“未来の結婚式”について考え、語り、発信していくことが大切だと思い、結婚あした研究所内で、#ミライケッコンシキ という企画もスタートさせました」(菊地氏)

 新型コロナの悪影響ばかり報道される昨今だが、これを契機に、新しい試みを模索する動きが活発化している。

 人生の大きなイベントである結婚式を、生涯の大切な思い出として残してあげたいというウエデイング業界の熱い思いが、また新しいスタイルを誕生させるかもしれない。

(文=鈴木領一/コンサルタント)

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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