税金でつくった厚労省・献血PR「けんけつちゃん」、“電通が権利所有”で使用できない問題の画像1
日本赤十字社の献血車に描かれた「けんけつちゃん」(撮影=編集部)

 警視庁の「ピーポくん」、総務省の「センサスくん」……そんな巷にあふれる公的機関のマスコットキャラクターの著作権者は、誰しも担当する省庁が持っていると思うだろう。

 ところが、日本赤十字社が全国の献血カーや献血ルームなどで用いている厚生労働省の献血推進キャラクター「けんけつちゃん」の著作権の一部が電通にあり、使用の際には電通に「お伺いを立てなければならない」という驚くべき事実がわかった。

 一般的に公共機関のマスコットキャラクターに関する権利は各省庁や自治体が所持している。だから使用したい場合、各省庁に許可を求めるのが筋だろう。そもそも作者が誰なのかにかかわらず、国民の税金によって作成されたキャラクターなのだから、公共の福祉に則った宣伝活動に使うのに、一部の企業から制約を受けるのは不可解だ。いったい何がおこっているのか。関係者に話を聞いた。

京まふ献血カーでのコラボクリアファイル配布に「待った!」

 事の発端は、今年9月に京都市で開かれた京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)での日本赤十字社京都府支部の企画だった。同企画は「赤月ゆに×京都赤十字コラボ開催中」と銘打ち、会場に駐車した献血カーで、吸血鬼Youtuber赤月ゆにさん(ゆにクリエイト所属)と、けんけつちゃんのコラボイラスト入りのクリアファイルを無償配布しようというものだった。(以下、動画参照)

 赤月さんは、これまで日本赤十字秋田県支部、同京都府支部で献血キャンペーンコラボを実施し、人気を博していた。しかし、けんけつちゃんを入れたコラボイラストのグッズ製作は今回が初の試みだったのだという。当初、企画は何事もなく進行していたのだが、ラフイラストが完成した時点で、赤十字の担当者が突如として「けんけつちゃん」のイラストに関し「電通への確認が必要」などと言ってきたのだという。この結果、赤月さん側は修正作業に追われ、並行して用意したYouTube上の献血PR動画も一時削除する事態に追い込まれた。赤月さんが所属する、ゆにクリエイト担当者は次のように一連の経緯を激白する。

ゆにクリエイト担当者の激白

 弊社としてはこれまで、秋田赤十字さんとのコラボを1回、京都赤十字さんとのコラボを1回とやってきました。今回のコラボは計3回目です。先方の担当者は前回の京都赤十字さんコラボの際と同じ方でした。京都赤十字さんとのコラボは1年前の9月21~22日、京都国際マンガ・アニメフェアで献血推進PRの企画の依頼があったのが発端でした。うちの赤月のイラストが掲載されたクリアファイルがかなりの枚数出たそうです。そのために昨年秋頃、「また第2回をやりたい」というお話を頂きまして、次は献血カードを入れるパスケースを制作するということで見積もりもさせていただき、今年の3月に実施する予定だったんです。