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木下隆之「クルマ激辛定食」

BMW販売店で本格的なレーシングマシンの購入が可能に…素人も容易にレース参戦できる?

文=木下隆之/レーシングドライバー
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BMW「M2CSレーシング」

 街道筋の自動車ディーラーでレーシングマシンが買える--。こんな、ちょっと信じられないことが可能になった。それも、国産モデルをベースにした入門用スポーツカーではなく、超本格的なBMWのレース仕様だから腰を抜かしかける。

 BMWの販売権を取得したのは、株式会社モトーレン東都(TotoBMW)。同社はこれまで輸入車を積極的に販売してきており、特にBMWの販売では正規ディーラーとして日本ナンバー1の実績を誇っている。

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 さらに、「SUPER GT」や「プランパンGTアジア」(現GTワールドチャレンジ・アジア)などで活躍するBMW Team Studieのオフィシャルスポンサーとして実績を重ねてきた。モータースポーツに造詣が深く、知見も豊かだ。そんな同社が、新たにレーシングマシンの販売を手掛けることになったのである。

 このプロジェクトは、BMW Japanにとっても新たな一歩を踏み出す試みであり、モトーレン東都に対して絶大なる信頼があったからこそ可能になった。

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 当面は、ドイツ本国のBMW・M社とBMW・Motorsportが共同開発した「M2CSレーシング」をリリースしていく。ロードカーとして圧倒的な戦闘力を誇る「M2CS」をベースに本格的レース仕様にモディファイ(修正)しており、直列6気筒3リッターツインターボを搭載する。ピークパワーは450psオーバー。超ド級の戦闘力を誇る。

 とはいうものの、M2CSレーシングはカスタマー仕様であり、ごく一部のプロドライバーのみが扱えるような神経質なレーシングマシンではない。室内にはロールケージが張り巡らされており、レース専用パーツで武装している。今すぐにでも本格的なレースに参戦可能であり、勝利することも可能なコンプリートモデルなのに、ビギナーでもドライビングに苦労することはない。

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 実は筆者も、5月のスーパー耐久「富士24時間耐久レース」にM2CSレーシングで参戦している。ドイツから海を渡り、港の通関直後に運ばれてきたマシンであったにもかかわらず、24時間を通じて一切のトラブルがなかった。しかも、改造範囲の緩やかなハイパワーマシンを抑えて、総合12位に輝いた。表彰台の一角を占めたのだから、その戦闘力も耐久性は折り紙付き。

 コンビを組んだドライバーのなかには、アマチュアもいた。だが、プロドライバーと遜色ないラップタイムを刻んでいた。そのことでも、乗り手を選ばない操縦性であることがうかがえる。

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 ランニングコストを抑えるために高価なパーツを控えるなど、ユーザーフレンドリーな配慮も行き届いている。モータースポーツ入門用として理想的なマシンなのだ。

 日本は自動車大国であり、モータースポーツ隆盛の素質は整っている。だが、ことレースに関しては、“観るものであって、やるものではない”という、旧態依然とした風潮がある。そもそも、希望があってもレース参入への道筋が整っておらず、ましてやレーシングマシンの購入など、門外漢にはそのルートすら魑魅魍魎としている。ゴルフやサッカーと違ってハードルが高いのである。

 だが、モータースポーツに知見があり、BMWに対して実績のあるモトーレン東都がモータースポーツの扉を開いてくれたことで、参画が容易になった。しかも、数々の戦績を残してきたBMW Team Studieがスーパーバイザーとしてサポートするという。完璧な体制でモータースポーツを支えてくれるのである。

 これからのBMWのモータースポーツが気になる。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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