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経済衰退の地方県内で融資を奪い合い…地方銀行、希望なき業界再編、2番手以下が生き残りかけ

文=編集部
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北都銀行本店(「Wikipedia」より)

 荘内銀行(山形県鶴岡市)と北都銀行(秋田市)を傘下に持つフィデアホールディングス(HD、仙台市)と東北銀行(岩手県盛岡市)が、2022年10月に経営統合することで合意した。東北では5月、青森銀行(青森市)とみちのく銀行(同)が共同持ち株会社設立に向けて協議を始めたばかり。生き残りをかけた地銀再編の動きが活発になっている。

「われわれは2番手グループ。1番手グループと違って、奮起しないとビジネスモデルを築けない」。フィデアHDの田尾祐一社長は仙台市で開いた記者会見で、置かれている立場に危機感を示した。

 統合する3行が本店を置く山形、秋田、岩手の各県には、トップシェアを持つ山形銀行、秋田銀行、岩手銀行が存在する。地方経済は人口減少で資金需要が落ち込み、新型コロナウイルス禍が追い討ちをかけた。特に、「2番手」以下の地銀、第2地銀は経営基盤の強化が急務となっていた。

 フィデアHDは荘内銀行と北都銀行が09年10月に経営統合して設立された共同持ち株会社であり、仙台市に本社を置く。21年3月末時点で両行合わせて約100の店舗がある。グループ全体の総資産は3兆2214億円、従業員は1662人。21年3月期の連結純利益は33億円だった。

 東北銀行は岩手県盛岡市に本店を置く1950年設立の下位の地銀。2021年3月末時点で49の店舗があり、宮城県や青森、秋田県などにも展開。総資産は1兆215億円。従業員は597人。21年3月期の連結純利益は11億円だ。

 両グループ合わせた総資産は4兆2429億円。東北では、七十七銀行(仙台市)、東邦銀行(福島市)に次ぐ規模になる。青森銀行とみちのく銀行が統合すれば4位に下がるが、それでも3県のトップ地銀のそれを上回る。営業拠点は6県に広がり、東北3県を主な営業基盤とする広域金融グループが誕生する。統合の狙いは収益力を強化して公的資金を返済することにある。北都銀と東北銀は、それぞれ100億円の公的資金を受け入れており、返済に向けた財務の改善・強化が喫緊の課題となっていた。

 フィデアHDの田尾祐一社長は公的資金の返済に関して「なるべく早い時期にしっかり返していきたいという思いがある」と述べた。

 東北銀のフィデアHD傘下入りの決断には、22年4月に予定されている東京証券取引所の市場再編が影響した、との指摘もある。最上位の「プライム市場」の上場基準は株式の時価総額が100億円以上などと定められているが、東北銀は約95億円にとどまる。約220億円のフィデアHDのグループ入りを決断したもうひとつの理由だ。

 経営統合後のリストラには限界がある。というのも、フィデアHDはすでに5年で店舗を4割削減しており、これ以上減らす余地は少ない。秋田、山形、岩手は、どこも経済が衰退しており、競合する有力金融機関と小さな市場を奪い合う構図は変わりない。統合後の貸出残高は単純合計で約2兆3600億円(21年3月期)。東北最大の七十七銀行の半分にも及ばない。

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