NEW

松屋、なぜ突然「牛めし」2割値上げ?抱える根深い弱点、消費者心理との乖離

文=A4studio
【この記事のキーワード】, ,
松屋、なぜ突然「牛めし」2割値上げ?抱える根深い弱点、消費者心理との乖離の画像1
松屋の店舗(「Wikipedia」より)

 三大大手牛丼チェーンの一角と称されることも多い「松屋」。同チェーンを運営している松屋フーズホールディングスは、2022年(3月期)第1四半期決算で売上高は225億円、営業利益は8億円の赤字と発表。売上高や客単価は前年同期を上回っているが客数は減少していた。

 そんな松屋が「牛めし」の価格を改定した。

 9月28日午後2時から並盛り一杯を320円から380円へ約2割値上げし、全国で販売を開始。値上げに併せて牛めしのタレやセットで付くみそ汁を改良したとのことだ。また、それまで関東などのおよそ660店舗では「プレミアム牛めし」を販売していたが、こちらは販売を終了し「牛めし」に一本化している。

 値上げの主な要因はアメリカやカナダから輸入している牛肉の高騰とのことだが、それはアメリカ産牛肉を使用している「すき家」、アメリカ産・カナダ産牛肉を使用している「吉野家」も同じはず。松屋には輸入牛肉高騰以外にも値上げの理由があるのではないだろうか。

 そこで今回は、松屋が牛めしを値上げに踏み切った要因や課題について、フードアナリストの重盛高雄氏に聞いた。

長年に及ぶ松屋の施策「プレミアム牛めし」の是非

「プレミアム牛めし」は2014年に、並サイズ税込380円で登場した商品。デフレの象徴とも呼ばれた低価格が売りの牛丼を、あえて高価格化させたことで話題となった。発売当初から限定感を強く出すことで品質以上の満足度を提供するといった戦略がうかがえていたが、終売するということは松屋内でこの「プレミアム牛めし」の施策は失敗だったと捉えられているのだろうか。

「この商品を今まで継続したことは正解といえますが、成果が上がったかというと否で、社内でも失敗だったという認識なのでしょう。価格が高くなった割に、それに見合ったクオリティは感じられず、特にお得感もなかった。消費者を意識できていなかったという印象が強く、私は社長の熱い想いだけで走っていた商品だという評価をしています」(重盛氏)

 プレミアム感を求めて足しげく店舗へ通う顧客もいたなかで、同商品は店員側のオペレーションも少し複雑だったと聞く。

「確かに、『プレミアム牛めし』は店舗によってオペレーションが違い、店員に煩雑さを与えていたと思います。加えて、松屋は調理場に鉄板が置いてあるのが特徴ですが、店員にとっては、これがそもそも負荷といえます。ですから『プレミアム牛めし』の煩雑さは、ただでさえ他チェーンよりも大変だった店員のオペレーションに、輪をかけて負担となっていたのではないでしょうか。ただここ数年、商品の見直しが多くなされるなかで、今回のように看板メニューを一本化し整理していこうという動きは、良い転機になるのではと思います」

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合