大容量でありながら低価格な自社製品を中心に販売している、神戸物産が運営する「業務スーパー」。その名の通り、当初は飲食店などをターゲットにした業務用食品の小売店だったが、“一般の客も大歓迎”というスタンスをとるうちに生活者からの支持が拡大。今となっては家計の味方として、スーパーマーケット業界で唯一無二の立ち位置を確立している。
そんな「業務スーパー」は経営も好調。神戸物産が2021年9月に公表した20年11月〜21年7月期の連結決算によると、純利益は前年同期から28%増の148億円で、過去最高を記録したという。また、この1年間で67店舗を新たに出店したことで、7月末現在の店舗数は933店舗となった。その勢いは止まるところを知らないようだ。
このように「業務スーパー」が支持される最大の理由は、「プロの品質とプロの価格」と謳われる通りの高コスパな商品たちであるのはいうまでもない。しかし、なかには少数ながら、評価が分かれる商品もちらほら……。そこで今回は業務スーパーの、“この秋、ちょっと残念な商品”を4品ピックアップした。お買い物の参考にしていただけると幸いである。
ブロッコリー/148円(税別、以下同)
冷凍食品に強い業務スーパーでは、冷凍野菜も販売されている。生の野菜は基本的に日持ちしないため、必要な分だけ取り出して使え、長期的に保存できる業務スーパーの冷凍野菜は、自炊の習慣がある人の強い味方になっていることだろう。しかし、そんなラインナップのなかのひとつ「ブロッコリー」に関しては、気になる話も聞こえてくる。
ネットなどの書き込みによると、この「ブロッコリー」は解凍すると冷凍時に含まれていた水分が多く出てきてしまうという。そこで実際に購入した「ブロッコリー」を自然解凍してみたところ、たしかに大さじ1杯くらいはありそうな量の水分が出てきてしまった。食べてみると、さらに水分が中から溢れ出してきたため、お弁当のおかずとして入れたとしたら、弁当箱のなかがビシャビシャになってしまいそうだ。
しかし、料理の具材のひとつとしては、便利に活躍してくれるだろう。実際、公式ページにも「サラダ・ソテー・クリームシチュー等にご使用ください」と書いてあるため、調理せずに食べることは想定されていないのかもしれない。そのため、そのまま食べられる冷凍ブロッコリーをお探しの方にはあまりおすすめできない商品ではあるが、料理の具材として使えるものがお目当ての方にとっては十分に“アリ”な商品といえるだろう。
ポテトサラダ/398円
業務スーパーのチルドコーナーには、そのままお弁当に入れられるような、便利なおかずがたくさん並んでいる。「京風だし巻き」や、「切干大根うま煮」などがそれにあたるだろう。そんななかでも多くのメディアに“高コスパな商品”として取り上げられ、根強い人気を誇っているのが「ポテトサラダ」だ。
こちらは、398円というお値段でポテトサラダが1kgも入っているお買い得商品。だが、有名なこともあってなのか、「まずい」という評判も聞こえてくる。実際に購入してその味を確かめてみると、なるほど、と思った。
まずいと感じるかどうかは人によるだろうが、他社の類似商品よりもあっさりしていて、甘みが少ないように感じる。公式ページの説明によると、使用しているのが自家製のドレッシングとのことなので、これがスッキリとした味わいの要因となっているのだろうが、味の賛否が分かれるのには納得だ。気になっている方は、実際に自身の舌で味わってみるといいだろう。
さば水煮缶詰/87円
外出先から疲弊して帰宅した際、あると嬉しいのが調理済みの缶詰。あとは白米を用意するだけで最低限の夕食になるため、自宅にたくさんストックしているという方も少なくないだろう。
業務スーパーの缶詰コーナーにも、「グリーンカレー缶詰」や「メキシカンビーンズトマト煮込み缶」など、缶からあけるだけでそのまま食べられる便利な商品が多くラインナップされている。しかし、「さば水煮缶」に関しては気になる噂が……。なんでもこちら、においが結構キツイようなのだ。
購入して実際に食べてみると、たしかに生臭い。鯖の味わいよりもにおいの主張が強いため、人によっては食べ進めるのが辛く感じるかもしれない。また今回、誤って汁をTシャツに少量こぼしてしまったのだが、その後、しばらくにおいがまとわりついてくることに……。それぐらい強烈だったのだ。しかし、1つ87円で160gというコスパや、日本近海で獲れたさばを添加物不使用で水煮にしている企業努力を踏まえると、においがそこまで気にならない方にとっては“買い”かもしれない。
合鴨ロース/248円
独特な香りと柔らかな肉質がクセになる合鴨ロース。普段から食べるにはハードルが高いため、クリスマスなどのイベントでない限り自宅で食べる機会がないという方も多いことだろう。しかし、業務スーパーで販売されている「合鴨ロース」に頼れば、合鴨ロースもお手軽に楽しめる。
こちらは、合鴨を調味液にじっくり漬け込み燻製にしたという一品で、お酒のおつまみやオードブルにおすすめとのこと。必要な分だけカットして使えて便利だし、なによりスモーキーな味わいや合鴨の旨みがしっかりと感じられる。しかし気になるのは、ややしょっぱさが強いこと。
そのしょっぱさは、おつまみとしては悪くないが、オードブルとしてそのまま食べるには塩味が少々過剰だと感じる人もいるだろう。購入を検討している方は、その点だけご留意いただけるといいかもしれない。
今回は業務スーパーの、この秋の要注意商品を4つ紹介した。しかし、紹介した商品を美味しいと感じたり、コスパ上等でお買い得と感じたりする人もいるだろう。一度実際に購入し、自分の好みに合うかどうかを確かめてみてもいいかもしれない。
(文・取材=A4studio)
※情報は2021年10月14日現在のものです。
※価格は購入価格。時期や店舗によって変動する可能性があります。