株式会社西友のプライベートブランドとして「無印良品」(以下、無印)が登場したのは1980年。1983年には直営の第1号店「無印良品 青山」が誕生し、30年近くたった2021年8月時点で総店舗数は1068店舗にまで成長している。
より私たちの生活に密着した店舗づくりに努めている無印には、商品のクオリティや値段に対して、非の打ちどころがない商品が多い。しかし、まれに注意を払って購入しなければならないものも紛れているのだ。そこで今回、“無印の要注意商品5選”を独自に厳選。ぜひ無印での買い物の際、参考にしていただきたい。
ウール混 裏起毛 タッチパネル手袋(柄)/1490円(税込、以下同)
無印では寒い時期に欲しくなる手袋も多数、取り揃えている。そのなかのひとつが「ウール混 裏起毛 タッチパネル手袋(柄)」だ。サイズはフリーサイズ。カラーは、ミディアムグレー、モカブラウン、ダークチャコールグレーの3色展開。
本品はタッチパネル対応なので、手袋をしながらでもスマホを操作できるというのがウリなのだが、実は2つの難点がある。
1つ目は、やや薄手なつくりになっているがゆえに、裏起毛素材であっても風を通してしまう点。「せっかく手袋をしているのに手が暖まりにくい」という口コミが散見される。
2つ目は、タッチパネルに反応しづらいという点。実際に試してみたところ、確かに手袋をしたままでも反応はするのだが、やや反応が鈍く、操作しにくい印象を受けた。
タッチパネル非対応の手袋より利便性が高いのは間違いないが、約1500円出して手袋を買うのであれば、他メーカーで防寒性、タッチ感度ともにより優れた商品が見つかるのではないだろうか。
ステンレス保温保冷スープジャー/1490円
2021年12月下旬に新商品として発売された「ステンレス保温保冷スープジャー」。容量は約300mlで、スープジャーとしては申し分のない容量だ。容器の口も広めに設計されており、食べやすく、かつ洗いやすい容器になっている。
ただ、この商品の口コミには「少々保温性に欠ける」という意見が寄せられている。実際に試してみると、朝入れたスープの温度が、昼にはぬるくなっているのである。この点を「猫舌にはちょうどよい」とプラスに捉えるユーザーもいれば、「ぬるい」とマイナスに捉えるユーザーもいるだろう。スープジャーで有名なTHERMOS製の商品よりも保温性は劣る印象を受ける。
しかし、約1500円というリーズナブルな価格設定で販売されていることを踏まえれば、そう悪い商品ではないとも考えられる。そこまで高い保温性を求めず、ほんのりと温かいスープが飲みたいという方にはおすすめできるかもしれない。
ポリプロピレン ケーブル収納/190円
バッグにスマホの充電器をしまうときや、スマホを充電しているとき、ケーブルが邪魔に感じることもあるだろう。「ポリプロピレン ケーブル収納」は、そんな現代人の悩みにアプローチした商品だ。
使い方は簡単。ケースの中にある円形パーツの溝にケーブルをはめたら、フタを閉める。そして、ケースの裏面に付いているつまみを回せばケーブルが巻かれる。これでケーブルがコンパクトになるというわけだ。
だが、まとめたケーブルをケースに入れたまま使おうとしたときには、少々不便に感じてしまうかもしれない。というのも、収納されたケーブルを使うために伸ばそうとすると、少し出にくいのだ。また、巻き取ったケーブルをケースから外して取ろうとしても、ケーブルに巻いた跡が残ってしまう。これではケーブルの寿命を縮めてしまう懸念もあるだろう。
香りを楽しむ 黒糖黒豆茶/390円
香りに特徴のあるお茶を取り揃えている無印の“香りを楽しむ”シリーズ。お茶の香りを楽しみたいユーザーにはたまらない同シリーズだが、なかには好みによって評価が分かれる商品もある。今回は、そのなかから「黒糖黒豆茶」を紹介しよう。
本品は、国産大豆の黒豆に黒糖の香りを加えた、甘い香りが特徴的なお茶。一口飲んだ瞬間、黒糖の深く甘みのある香りが鼻から抜け、美味しくはあった。だが、やや甘みが強く、食事と合わせるには不向きな味わいに感じるのだ。実際、「お茶として飲むと甘い」という口コミが寄せられている。
だが、普段から甘いお茶を好んで飲んでいる方にとっては、問題ないかもしれない。気になる方は、自身の好みかどうか試してみていただきたい。
素材を生かしたカレー ビーフルンダン/690円
無印のレトルトカレーは、今やメディアでも多く取り上げられるほどの大人気シリーズ。だが、そのなかのひとつである「ビーフルンダン」は、あまり知られていない商品ではないだろうか。
「ビーフルンダン」とは、スパイスやココナッツクリームと牛肉を一緒に煮込んだマレーシアの料理。そんな料理を再現した本品は、コアなファンもついている一方で、否定的な意見も寄せられている。どうやら、ふんだんに使われたココナッツクリームによって、好き嫌いが分かれるようだ。
実際に食べてみると、カレー特有のスパイスを感じさせつつも、ココナッツクリームの独特な甘みで全体的に味がマイルドになっている。大きな牛肉がゴロゴロと入っていて食べごたえがある。ココナッツクリームの甘みも、カレーの味を妨げているとは思わなかったが、人によっては苦手と感じることもあるだろう。
ココナッツがお好きな方にはぜひおすすめしたい一品だが、そうでない方にとっては“要注意”といえるかもしれない。
品質の高い無印商品のなかでも、購入する際、少々注意が必要なものを紹介してきた。ただ、今回紹介した商品も、使う人・食べる人によっては素晴らしいと感じる要素は多々あるため、最終的には自分の用途や好みに合いそうかどうか熟考し、無印で賢く買い物をしていただきたい。
(文・取材=A4studio)
※情報は2022年2月1日現在のものです。