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阪神・矢野燿大監督、退任が早まる可能性も?史上最悪の開幕9連敗で情勢に変化

文=Business Journal編集部
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阪神・矢野燿大監督、退任が早まる可能性も?
阪神タイガース公式サイトより

 セ・リーグ史上ワースト記録となる、開幕9連敗――。リーグ戦が開幕しても、阪神タイガースには一向に春が訪れる気配がない。

 前評判は決して悪くはなかった。昨季、終盤ギリギリまで優勝争いを繰り広げたチーム力から考えれば当然だろう。評論家の順位予想でも、優勝候補に推す声も多かった。

 ところが蓋を開けてみると、昨季までの絶対的な守護神であったスアレスの退団、野手補強ゼロ、そして新守護神カイル・ケラーの乱調など、とにかく歯車が噛み合わない。気の早いメディアからは、すでに「阪神の優勝確率はゼロ」といった報道が出るほどチームは低迷している。一体、猛虎に何が起こっているのか――。

 低迷の一番の理由に挙げられるのが、矢野燿大監督の退任報道だった。スポーツ紙デスクが言う。

「長年、プロ野球の取材をしてきましたが、開幕前に今季限りの退任発表というのは、記憶にありません。2019年に矢野監督が就任してから、3年連続Aクラスと成績は悪くありません。特に昨シーズンは新人を起用しながら優勝争いを繰り広げ、“育てながら勝つ”という、野球界でもっとも難しい離れ業をやってのけました。歴代監督のなかでも、結果という面ではかなり残していた、という見方が妥当でしょう。ところが、シーズン開幕前に突然の辞任発表。メディアだけではなく、選手の間でも『一体なぜ』という雰囲気が一気に広まりました」

 12球団でも有数の人気を誇るだけに、当然ファンからの注文は厳しい。すでに球団SNSにも批判が殺到する事態にまで発展している。まだ本拠地・甲子園での開催がないとはいえ、虎ファンの我慢も限界に来ているのかもしれない。前出のスポーツ紙デスクは、球団の体質的に首脳陣とフロントの間で大きな溝が生まれているのではないか、と指摘する。

「一昔前では考えられませんが、近年のタイガースは勝利に慣れてしまった節があります。それはフロントも同様です。今やタイガースは、巨額の年俸、潤沢な補強費を生かして、優勝が厳命される球団になりました。ですから、フロントとしても上位争いくらいでは満足できなくなり、昨シーズンについて『なぜ優勝できなかったのか』という方向に視点が向くようになっています。

 ほとんどの助っ人外国人が1億円を超える高額年俸のなか、思うような活躍ができていないということも、フロントは納得できなかったようです。そうなると、矢野監督の采配に問題がある、という結論に行き着くわけです。ただし、ドラフトも即戦力というよりは、将来性への投資の意味合いが強く、この辺りのフロントの方針も矢野監督との間でズレが生まれていたとみています」

阪神・矢野燿大監督、今季終了までもたない可能性も

 矢野・阪神は成績だけみれば上々だが、決してファンから高い支持を得ていたとはいえないのかもしれない。コロナ禍という特殊な事情があるとはいえ、前任の金本知憲時代のような熱狂性はなかったとの見方もある。それは、矢野監督の経歴が影響しているとの指摘がある。

金本知憲さんや星野仙一さん、野村克也さんといった一部の例外はありますが、基本的に阪神は昔から生え抜きであることを重視します。中日ドラゴンズから移籍した矢野さんは、どこまでいっても“外様”扱いです。現コーチ陣も、まるでドラゴンズと思えるほどドラゴンズ色が強くなっており、これが球団からしても面白くないわけです。

 また、ファンの気質としても金本さんのように闘志を前面に出すような、わかりやすさも重視されます。矢野さんも選手時代はリーグ優勝に貢献していますが、金本さんほどではないという評価が大勢です。スキャンダルがあるにもかかわらず、掛布雅之さんの待望論がいまだに聞こえてくるのも、そういった球団の体質が大きいでしょう。

 前回の監督人事の際も、フロントの本心は矢野さん一本ではなく、あくまで“つなぎの監督”というイメージでしたが、矢野さんは現場から好評だったので切り時を探していたという部分もあるでしょう」(阪神番記者)

 事実、矢野監督は旧態依然とした阪神の体質を変えようとしていた節がある。たとえば、昨季の佐藤輝明と中野拓夢のルーキーコンビの抜擢もそのひとつだろう。そして、長年悩みのタネだった捕手も、梅野隆太郎を球界有数の捕手へと育て上げた。だが、それでも今季の采配については疑問が残ると、前出の番記者は首を傾げる。

「特に投手陣の運用です。先発投手を早々に諦めて、早いイニングからリリーフをつぎ込みすぎて、長いシーズンを見越しているとは、とても考えられません。四球癖が抜けない藤浪晋太郎をエースとして扱っていることにも疑問があります。これだけ投手は動かすのに、野手起用はかなり安全策なことも理由がわかりません。主力である大山悠輔の扱いも雑ですし、髙山俊、陽川尚将といった二軍で結果を残している選手を見向きもせず、選手の好き嫌いが采配に影響をしている面も見受けられます」

 気になるのは、今後の矢野監督の続投の有無だが、その辺りはどう考えるべきなのか。

「球団は今季終了までの続投を名言していますが、本音でいえば、それすらもかなり怪しいでしょう。というのも、すでにフロントや親会社も含め、現在の成績が我慢の限界を超えているからです。ただ、今の泥船ともいえるチーム状況で、有力OBのカードを切るとは考えにくいです。

 恐らく、来季は今岡誠さんか、岡田彰布さんが現実的なラインでしょう。ただ、いずれも長期政権はないとみられます。本命は藤川球児さん、鳥谷敬さんの2人でしょう。ただ、2人ともまだ現場経験がないため、次期政権でコーチを務めて、そのあとで監督に、というシナリオがもっとも可能性が高いといえます」(同)

 いまだ長いトンネルから抜け出せない阪神タイガース。歴史的な低迷を脱するには、フロントと現場の確執を解決しない限り、浮上の目は見えてこない。

(文=Business Journal編集部)

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