ビジネスジャーナル > 企業ニュース > パチンコ店の閉店が過去最悪のペース
NEW

パチンコ店の閉店ラッシュが過去最悪のペースに…潰れるホールの危険な兆候とは?

文=山下辰雄/パチンコライター
【この記事のキーワード】, ,
一般的なパチンコ店内の様子(「Wikipedia」より)
一般的なパチンコ店内の様子(「Wikipedia」より)

 2022年上半期におけるパチンコ店閉店数は平成以降で過去最悪に並ぶペースであり、「マイホ(マイホール)は大丈夫か?」と心配している人も多いのではないだろうか。

 そこで今回は、ホールが閉店する際に何か兆候はあるのか、閉店の可能性を考えてどんな対策を取っておくといいのか、についてお伝えしたい。

事前告知ありか、夜逃げ同然か

 そもそも閉店に際しては、事前に告知を行うパターンと夜逃げ同然でお店を閉めるパターンに分かれる。

 前者は「○月○日をもって閉店します。長らくのご愛顧ありがとうございました」といった掲示を店頭に出し、「貯玉・貯メダルの交換や現金精算は○月○日までに行ってください」と明示してあることが多い。また、会員登録の際に「ダイレクトメールを受け取る」にチェックした場合は、ハガキ等で閉店のお知らせが届く場合も。

 それに対して後者は「臨時休業」や「リニューアルに伴う休業」の張り紙を出し、そのまま営業再開することなく閉店してしまうパターン。この場合は、貯玉・貯メダルの精算はできない可能性が高いので注意が必要である。

 事前に告知があったかどうかによらず、閉店までに貯玉・貯メダルの精算ができなかった場合、そのホールが“貯玉補償基金”に入っていたかどうかで補償の有無が異なる。

 一般社団法人貯玉補償基金に加盟していたホールが経営破綻した場合、会員の貯玉・貯メダルは基金を通して補償を受けられるのだ。ただし、現金への交換はできず、カタログ掲載商品や一般雑貨への交換となる。また、補償の上限は一人あたり貯玉25万個、貯メダル5万枚までとなる点にも注意が必要だ。

 ホールが基金に加盟している場合は、加盟店であることを示すポスターやステッカーが店内に貼ってあるはず。一般社団法人貯玉補償基金のホームページで加盟店を検索することもできるので、マイホが加盟しているかどうか知りたい場合は調べてみるといいかもしれない。

閉店前の「危険な兆候」とは?

 ホールが閉店する際に何か兆候があるの? と聞かれれば、「それはそのホール次第だ」という答えになってしまう。閉店を事前に告知して最後まで真心を込めて営業したいと考えるホールもあれば、「閉店を事前に告知したらお客さんは来なくなるはずだから、ギリギリまで伏せておきたい」と考えるホールもあるだろう。

 そこで、筆者の周りにいる業界関係者やパチンコ・パチスロユーザーに「閉店の兆候を感じたことはある?」と聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。

・新台入れ替えのペースが落ちる
・そもそも新台入れ替えを行わなくなる
・新台入れ替えの導入台が最新台ではなく準新台
・グループ内のお店で新台を回しながら入れ替えを行うようになる
・コーヒーレディーがいなくなる
・併設の飲食店や食事処が閉鎖される

 つまり、経営状態の悪化が感じられるようになるということ。これらは単なる経費削減の場合もあるが、一応、頭の片隅に入れておくといいかもしれない。

 他にも、景品交換所の休業や休憩時間が増えたり、ホールが短期間に臨時休業を繰り返した末に閉店し、会員から「やっぱりそうか」との声が上がった事例もあった。

 また、お店のSNSで攻撃的な発言が目立ったり、お店のYouTubeチャンネルで暴露話をするようになったりするのも危険な兆候。閉店を控えて怖いものなしになった担当者が、最後に大きな爆弾を落とそうとしている可能性があるのだ。

閉店に備えて「貯玉・貯メダルの精算」

 マイホの閉店に備えてやっておくべきこと、それは貯玉・貯メダルの精算である。貯玉・貯メダルは換金ギャップを活かせる低換金率のホールで使ったり、端玉を貯めるのが効果的な使い方。等価のホールで貯玉・貯メダルを使っても、財布からお金を出さずに済むから得しているように感じるだけで、実際は何の得にもなっていない。

 なので、等価のホールでの貯玉・貯メダルは早めに精算しておくといいだろう。等価ではないホールの場合も「不測の事態が起こるかも」と考え、「○万円分以上は貯めない」といったルールを決めておくことをオススメしたい。

 ホールの閉店を事前に察知したいのなら、お店に足を運んで告知を見つけたり、兆候を感じ取ったりする必要がある。とはいえ、近所のホールならともかく、電車や車で行くようなホールを「いつ閉店するかわからないから」と頻繁にチェックするのは非現実的だろう。

 ツイッター等のSNSやインターネット掲示板にホールの閉店情報が出る場合もあるが、自分のマイホの情報が書かれ、それを目にする確率はパチンコ・パチスロのプレミア演出の出現率より低いはず。

 だったら、閉店しても実害がないように貯玉・貯メダルを精算しておいたり、ホールに足を運んだ際に閉店の兆候がないかをチェックしたりするくらいが、現実的な対処法といえよう。

 パチンコホールの倒産・閉店に歯止めがかからない中、電気料金の値上げやスマートパチンコ・スマートパチスロ導入による設備投資など、負担増によって苦境に陥るホールが今後も増えることは想像に難くない。

 大切なお金(貯玉・貯メダル)を守るためにも、マイホや会員カード作成済みのホールの状況には、少しだけ気を配っておきたいものである。

山下辰雄/パチンコライター

山下辰雄/パチンコライター

パチンコライターとしてBusiness Journalにて多くの記事を寄稿。

パチンコ店の閉店ラッシュが過去最悪のペースに…潰れるホールの危険な兆候とは?のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!