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味が不味く…マクドナルド・紙ストローに不評続出、「カップ蓋はプラスチック」に疑問

文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト
味が不味く…マクドナルド・紙ストローに不評続出、「カップ蓋はプラスチック」に疑問の画像1
マクドナルドの紙ストロー

 マクドナルドが10月から順次、プラスチック製ストローの紙製ストローへの置き換えを開始。一部利用客から「味が不味くなった」「飲んでいる途中でフニャフニャになる」といった不評の声が続出。さらにはカップの蓋はプラスチック製のままであることに「実行性の弱い施策」「一体なんなのでしょうか」などと疑問の声もあがっている。

 飲食店や小売店でプラスチック製のレジ袋やカラトリーなどの無償提供をやめる動きが広がっている。今年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されたことによるものだが、実は同法はプラスチック製レジ袋などの提供を禁止するものではない。環境省は同法の趣旨について「プラスチック使用製品の設計からプラスチック使用製品廃棄物の処理まで、プラスチックのライフサイクルに関わるあらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取組を促進する」としており、たとえば飲食店や小売店に対しては「フォーク」「スプーン」「テーブルナイフ」「マドラー」「飲料用ストロー」について

「使用の合理化のための取組を行うことにより、プラスチック使用製品廃棄物の排出を抑制すること」

を要求。具体的に以下の施策を求めている。

「消費者にその提供する特定プラスチック使用製品を有償で提供すること」
「特定プラスチック使用製品を使用しないように誘引するための手段として景品等を提供(ポイント還元等)すること」
「薄肉化又は軽量化その他の特定プラスチック使用製品の設計又はその部品若しくは原材料の種類(再生可能資源、再生プラスチック等)について工夫された特定プラスチック使用製品を提供すること」

 数年前から小売店や飲食店は同法施行を見据えた取り組みを実施。スーパーやコンビニエンスストアではレジ袋の有償化が定着。一方、コンビニ大手のセイコーマートは国のルールに従い30%バイオマス原料を使用したレジ袋の無料配布を継続するなど、独自の取り組みを行う事業者も出ている。流通業界関係者はいう。

「これまでコンビニでは総菜を購入した客には何も言われなくてもスプーンやフォークを提供していたが、各社はそれをやめた。ただ、客から“フォークをください”と言われれば断るわけにはいかず、無償で提供しているのが実情。一方でレジ袋は有償化になっており、現実にはチグハグさが否めない」

 なかでもSNS上でしばしば話題になるのが、飲食店で徐々に広がっているプラスチック製ストローの紙製ストローへの置き換えだ。口にザラザラした紙が当たる感覚や、使用している途中でストローが水分を吸収して折れ曲がってしまうことに拒否反応を示す声が続出。さらには、「飲み物が不味くなる」といった味が変わってしまうという声もみられ、たとえばミスタードーナツはいったんは導入した紙ストローを廃止しバイオマス素材の樹脂製ストローに切り替えるなど、脱・紙製ストローの動きもみられる。

紙製ストローをどうしても受け入れられず、席でカバンから持参のプラスチック製ストローを取り出して使用するお客さんもいる」(飲食チェーン社員)

<カップの蓋を紙にしてストローはプラに戻せ>という声も

 そうしたなか、ハンバーガーチェーン最大手のマクドナルドも10月から順次、紙製ストローや木製カラトリーの提供を開始したのだが、SNS上では以下のように不評が目立っている。

<こんなに飲み物が不味く感じるのか>

<トイレットペーパーの芯よりティッシュに近い>

<最後まで飲み終わる前にふにゃふにゃでめちゃくちゃ飲みにくい 紙ストローに変える前に担当者試してみたんか?折れ曲がる>

<もう最悪。紙ストロー、大嫌い。はっきり言って不味い>

<マクドナルドは紙ストローを社内でレビューしたのか?って思う してこれだったらレビュワーの舌がおかしいか、これくらいならいいかと客を考えてないかどっちかかなって感じる>

 さらに、ストローは紙製になった一方でドリンクのカップの蓋がプラスチック製のままであることに

<紙のカップにプラスチックの蓋を被せて、紙のストローを差しているマクドナルドって、一体なんなのでしょうか>

<啓蒙も大事だけど、こう言うお気持ちだけの実行性の弱い施策、止めてほしい>

<カップの蓋を紙にしてストローはプラに戻せ>

<もうストロー自体やめてカップのプラ蓋もやめたらいいんじゃないかな>

などと疑問の声も上がっているが、実際に店舗を訪問したフードアナリストの重盛高雄氏にレポートしてもらう。

店舗訪問レポート

・外見・サイズ

 袋に入っている状態では、普通のストローという印象。袋を開けると、プラスチック製トローに比べて多少太め、紙製の筒が入っている。

・強度・使い勝手

 指で摘んで見る。紙製であるが指に多少の力を加えても、たわむことはない。両端を内側に丸め込んだ仕様であり、これによって形と強度を担保しているのだろう。太くなったことによりカップの蓋の切り込みに対しサイズがギリギリとなるため、紙ストローの抜き差しが難しく感じる人がいるのではないだろうか。

・ドリンクを紙製ストローで飲んだテイスト

(1)アイスコーヒー

 少し丸みをもたせた味わい(まろやか)。紙筒を通過する際に変化すると想定される。口への流入量の違いも味の感じ方に変化を生じさせる。ブラックの状態では変化は少ないが、ガムシロップを入れると、ストローが太くなったことにより流入量が増えたため、甘みがより強く口の中に広がる印象。ストローの外側が乾いているため、一口飲んだ後に口からストローを離す瞬間、唇に引っかかる感じを受けた。ただ、総評としては、アイスコーヒーを紙製ストローで飲むことに特に支障はない。

(2)コーラ(炭酸系飲料の例として)

 流量が増えることと相まって炭酸のシュワシュワ感が逆に薄く感じられた。シュワシュワ感が苦手で炭酸飲料を避けていた人には、逆に朗報といえるだろう。普通の紙コップに炭酸飲料を注ぐと、紙の表面にある細かな凹凸により気泡が発生し泡が大きく感じられる。例えば紙コップにビールを注ぐと、ほとんど泡になってしまう。紙ストローの内側に施された加工により、泡の発生を抑えているのだろう。炭酸系飲料には紙製ストローは適していないと感じる。

(3)ミニッツメイド オレンジ(果汁系飲料の例として)

 紙製ストローを通すと、オレンジのみずみずしさや酸味が口腔上部を中心に広がり、よりさわやかさを感じさせる。流入量が増えたことにより、飲料の印象が向上した。

・耐久性

 カップに30分以上浸しておいたが、アイスコーヒーだけ外側に浸透が見られた。ストロー自体は形状や硬度を保っており、実用性を十分保持している。

・その他

 女性の口紅が付着するのではと店内を見回したが、気温が低かったこともあり、温かい飲料を飲んでいる人が多く検証に十分なサンプル数が得られなかった。飲み終わり廃棄する際、従来は蓋にストローがささったまま捨てられることが多かったが、紙製ストローになったためプラ蓋から外して分別されていた。紙ストローの採用によりゴミ箱があふれる事態は回避されることだろう。

・総括

 マクドナルドの紙製ストローによる味わいの違いは、個人差もあるが炭酸飲料以外は概ね代替品として及第点と感じられる。プラごみの削減に関して私見であるが、店内飲食の場合は蓋なしでもよいのではないかと思う。テイクアウトやデリバリーの場合は容器(カップ)の強度を保つため、またこぼれ防止のために必要と思う。

(文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

重盛高雄/フードアナリスト

重盛高雄/フードアナリスト

ファストフード、外食産業に詳しいフードアナリストとしてニュース番組、雑誌等に出演多数。2017年はThe Economist誌(英国)に日本のファストフードに詳しいフードアナリストとしてインタビューを受ける。他にもBSスカパー「モノクラーベ」にて王将対決、牛丼チェーン対決にご意見番として出演。最近はファストフードを中心にwebニュース媒体において経営・ビジネスの観点からコラムの執筆を行っている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社 重盛高雄プロフィール

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