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楽天モバイル基地局、休日に高所から落下→記載の連絡受付時間が平日のみ…意外な真相

文=Business Journal編集部、取材対象=楽天モバイル
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楽天モバイルのHPより

 日曜日にあたった2日、柱の高い位置に設置されていた楽天モバイルの基地局設備が地面に落下した様子を収めた写真がTwitter上に投稿された。もし仮に通行人に衝突していたら大惨事につながった懸念もあるが、柱に掲出されている連絡先電話番号には受付時間について「平日9:00~17:00」と記されており、写真の投稿者は「連絡しようと思ったら平日しか受付けていない」と記述。平日のみの受付であることに疑問の声が広がっている。

 楽天グループは2020年に子会社の楽天モバイルを通じて携帯電話事業のサービスを開始。1兆円以上の設備投資費用を投下し基地局の整備を進め、22年2月には人口カバー率96%を達成し、23年度中に同99%を達成する見込みとなっている。その一方、楽天モバイルの元部長・佐藤友紀被告が基地局整備関連の業務委託先に水増し請求させ自身に還流させていた疑いで3月に逮捕されるという事件も。水増しによる楽天モバイルの被害額は100億円にも上り、同社が基地局整備を急ぐあまりに社内の業務監視・チェックがおざなりになっていたのではないかという指摘も出ている。

「既存の大手キャリアは20年以上かけて現在の基地局網を築いてきたことを考えれば、たった3年で楽天モバイルが約6万局の基地局を設置したというのは驚異的なスピードといえる」(大手キャリア関係者)

0円プラン終了の影響

 楽天モバイルは、どれだけ使っても月額で最大2980円(楽天回線エリアのみ/通話料等別)、さらに月間データ利用量が1GB以下なら基本料無料というプランを掲げ、契約回線数を増やしてきたが、22年には1GB以下の0円プランを終了した影響で減少。契約回線数(格安スマホサービスのMVNO含む)は、22年3月末時点で568万だったが、同年12月末時点では506万件となり、9カ月間で62万件減った計算となる。

 経営も厳しい状況が続く。楽天グループの2022年12月期決算は、携帯電話事業の営業損益が4928億円の赤字となった影響で、グループ全体としては3728億円の最終赤字に。成長を続け好調なEC事業や金融事業の利益を吹き飛ばし、最終赤字は前期比3倍に膨れ上がった。0円プラン廃止の影響でARPU(契約当たり月間平均収入)は1800円台にまで上昇しているが、大手キャリア3社の4000円前後と比べると半分以下の水準。携帯電話事業の23年度中の単月黒字化を目標に据えているが、達成は難しいとの見方も強い。

 楽天グループは契約者を増やすべく、積極的に活動を展開。1月に行われた、楽天市場加盟店向けイベント「楽天新春カンファレンス2023」で三木谷浩史社長は、「楽天モバイル法人プラン」の魅力を強調し契約を呼びかけ、社長自ら「トップ営業」を実施。2月からはリファラルマーケティングとして、既存契約者から紹介されて契約した人に3000ポイント、紹介した人に7000ポイントを提供する施策を展開。同月20日付朝日新聞記事では、楽天グループが外国人の従業員には2回線、日本人の従業員には4~5回線の携帯電話契約獲得という実質的なノルマを課していたとも報じられ、議論を呼んだことも記憶に新しい。

監視部署がシステムアラートを検知

 その楽天モバイルで起きた、今回の基地局設備落下トラブル。負傷事故につながる危険性もさることながら、問い合わせ窓口の受付時間が平日9~17時のみとなっていることに、さまざまな反応が寄せられている。

<こういう障害対応って24時間年中無休じゃないの?>(本文ママ)

<こんな下手したら人が死ぬようなインシデントまで起きてるとは>

<無線基地局工事やった事ある側からすると、無線機の重さに対してこの留め方は無くね?とは思います。天井内でもD1組むし、本体なら鋼材組むし…>

<無線装置からチルト制御装置ケーブルっぽいモノ(フィーダーじゃないと思う)が外れているのがみえているけど、楽天の監視センターへアラート上がってないのかな? 通常はアラートが上がると保全会社が即日対応するが常>

 楽天モバイルに聞いた。

――今回のような急な対応を要する基地局トラブルが、問い合わせ窓口の受付時間以外の休日などに発生した場合、発見者はどこに連絡をすればよいでしょうか。また、貴社はどのような対応体制を敷いておられますでしょうか。

楽天モバイル 楽天モバイルでは、基地局の通信インフラとしての役割(電波発射を行い通信エリアを構築する)について重大な問題が生じた場合に備え、24時間365日、監視部署がシステムアラートを検知して保守対応等を行える体制を整えています。24時間365日対応が可能な当社の連絡先については、基地局を設置させていただいている土地または物件オーナー様に共有しています。基地局等で問題が生じた場合はシステムアラートでも検知可能なため、基地局自体に掲示している問い合わせ窓口は平日9~17時に受付可能な連絡先のみとしています。

――今回の落下事故が発生した原因はなんでしょうか。

楽天モバイル 2023年4月2日(日)に、基地局を設置しているコンクリート柱に農業用機器が接触する事故が起きています。楽天モバイルにて基地局からのシステムアラートを直ちに受信し、基地局を設置している土地のオーナー様にご連絡差し上げたうえで、現地にて一部機器の落下を確認し、復旧作業にあたりました。当社が確認したところ、本件によるけが人および近隣の施設・設備などの損傷は現時点で確認されておりません。当社は今後も基地局における機器の設置方法、保守対応のさらなる向上を目指し、継続的な改善に取り組んでまいります。

――貴社の基地局が落下するという事案は、他にも発生しておりますでしょうか。

楽天モバイル 個別の事案については回答を控えさせていただきます。楽天モバイルでは、ネットワークの監視部署がシステムアラートを即座に検知し、問題解決に向けて保守対応などを24時間365日行える社内体制を整えております。

(文=Business Journal編集部、取材対象=楽天モバイル)

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