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従来、再生医療には一般の薬(化合物薬品)の開発と同じ条件が求められていた。薬の開発は、試験管の中の開発から、動物を使った試験を経て、実際に人間に投与して安全性や効果を見極める治験(臨床試験)に入る。その臨床試験にも3段階あり、これらをすべてクリアして初めて製造販売承認の申請を行うことができる。時間もコストも膨大にかかる。iPS細胞は同じ細胞を大量に作製できるため、安全性や効果を細胞レベルで計測が可能。2つの法律の施行によって、臨床試験の症例数が少なくても、安全性・効能が確認できれば、一定条件や期限を付して早期承認が可能になったのである。医療関係者によると、臨床試験入りから最短3年程度で患者へアクセスできるようになるという。
ヘリオスはiPS細胞を利用した創薬ベンチャーとしては、初の上場になる。みずほ証券に在籍しバイオのトップアナリストだった岩田俊幸氏が、昨年同社に転職したことでも話題になった。バイオベンチャーの業績や株価は、これまで期待外れになるケースが多かったため、ヘリオスはiPS細胞を使った医療の実用化に向けて、突破口の役割を託されている。大株主にも大日本住友製薬(東証1部)、がん免疫細胞療法のテラ(ジャスダック)、再生医療研究の澁谷工業(東証1部)、前臨床試験大手の新日本科学(東証1部)など、そうそうたる企業が名を連ねている。
(文=和島英樹/ラジオNIKKEI 記者)
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