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本来、クレーム対応はプロパー(正社員)が担当し、クレーム情報を適切に社内で共有させる仕組みを作ることで、社内イノベーションを起こすというのが基本だが、この大企業では正社員は派遣社員に丸投げでAさんからみても「スキルが十分にあるという正社員はまったくいない」のが実情だという。
一方、Aさんはクレーム対応で顧客からの評判も高く、最近も派遣先で表彰を受けたばかり。それにもかかわらず、コスト削減対象の特定派遣社員だからという理由だけで、雇い止めに遭ってしまったのだ。今、この大企業では次々と雇い止めが行われている。
「私の場合は1カ月前に通告を受けましたが、別の部署では2週間前に雇い止め通告を受けた人もいます。その人は『さすがに直前すぎる』と会社に異議を申し立てたところ、管理職の人が『あなたがとてもがんばって働いているので、言うに言えなかった』などと、あまりにも無責任すぎる言い訳をして問題になったこともあります」(Aさん)
この特定派遣社員の雇い止めを行っている大企業の業績は好調だ。しかし実態は、派遣社員に仕事を丸投げして楽をする正社員と、使い捨てされる派遣社員といった問題が厳然として存在するのだ。業績好調の裏には、派遣社員の犠牲があるのだ。これが政府のいう「多様な働き方」なのだろうか。
(文=小石川シンイチ)
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